粗利計算ツール:原価と販売価格から手取りと損益分岐点を出す
粗利は販売価格から仕入原価を引いた額です。ただしオンラインで売る場合、販売手数料と送料と広告費は粗利の下に残っているので、粗利と実際に残る手取りは一致しません。このツールは同じ入力から両方を出します。仕入原価と販売価格だけを入れて送料と手数料と広告費を0にすれば会計でいう粗利が、すべて入れれば1個あたりの手取りと利益率、赤字にならない下限価格、目標の利益率に必要な価格が出ます。金額の単位は指定していません。円でもドルでも、すべて同じ通貨にそろえて入力してください。eBay輸出のように仕入が円で売上がドルなら、先にどちらかに換算してから入れます。手数料の率はこのツールには入っていません。自分の明細か、eBayの手数料とShopifyの料金のページに載っている公式の料率から取ってください。計算の仕組みは物販でもせどりでも同じで、変わるのは入れる手数料の率だけです。
計算結果
- 1個あたりの手取り
- 1,262
- 利益率(手取りを販売価格で割った率)
- 36.3%
- 損益分岐点の販売価格
- 2,077.78
- 目標の利益率に必要な販売価格
- 3,740
- 1件の販売にかけられる広告費の上限
- 1,462
- 必要なROASの下限
- 2.38×
販売価格から仕入原価、送料、その他の費用、販売手数料、広告費を引いた残りです。単位は入力した通貨と同じです。
粗利率ではなく、手数料と送料と広告費まで引いたあとの率です。15%を下回ると、返品1件や仕入値の上昇で消える薄さです。
これより安く売ると1個ごとに赤字になる価格です。値下げやクーポンの下限はここになります。
費用をひとつも変えずに、目標の利益率に届く販売価格です。
広告費を引く前に残っている金額です。これを超えると、広告を出して売れるたびに赤字になります。
広告費1に対して売上がいくら戻れば赤字にならないか、という倍率です。これを下回る広告は手取りを削ります。
計算の仕組み
販売手数料は販売価格に対する割合で計算します。粗利に対してではありません。だから販売価格を上げると手数料も一緒に増え、自分に残るのはその差額だけです。
会計でいう粗利は、販売価格から仕入原価を引いた額です。送料、その他の費用、販売手数料、広告費を0にすれば、このツールはその粗利をそのまま表示します。
1個あたりの手取りは、販売価格から仕入原価、送料、その他の費用、広告費、そして販売手数料を引いた額です。オンライン販売で実際に残るのはこちらで、粗利より必ず小さくなります。
利益率は手取りを販売価格で割った数字で、仕入原価で割った数字ではありません。原価1,000のものを2,000で売ると、原価に対する上乗せは100%ですが、利益率は50%です。商品どうしや販売先どうしを比べられるのは、販売価格を分母にした利益率のほうです。
損益分岐点の販売価格は、1個あたりの費用(広告費を含む)を、手数料を引いたあとに自分の側に残る割合で割って出します。手数料が10%なら、受け取る金額の90%が自分の側に残る割合です。
広告費の上限は、販売価格から手数料を引き、そこからさらに仕入原価と送料とその他の費用を引いた残りです。これが赤字にならずに1件の販売に払える金額で、必要なROASの下限は、販売価格をこの金額で割った倍率です。
このツールが出すのは、所得税と消費税を引く前の数字です。消費税を納める義務があるかどうかは、基準期間(個人事業者ならその年の前々年)の課税売上高が1,000万円以下かどうかなどで決まります(国税庁タックスアンサーNo.6501、令和8年4月1日現在法令等、2026年10月8日閲覧)。
数字で答えが出せないときは、数字を出さずに計算できないと表示します。手数料が100%なら成り立つ損益分岐点はなく、広告費を引く前からすでに赤字の商品を救うROASもなく、手数料を引いたあとに残る割合より大きい利益率は、どの販売価格でも達成できません。
計算例
1,200で仕入れた商品を3,480で売るとします。自己負担の送料が350、梱包材などその他の費用が120、販売手数料が10%(説明のための数字です。自分の率は明細で確認してください)、広告費が1件あたり200、目標の利益率は40%です。表の「費用の合計」は仕入原価、送料、その他の費用、広告費を足した額で、販売手数料は別の行にしてあります。単位をそろえてあれば、円でもドルでも計算は同じです。
- 販売価格
- 3,480
- 粗利
- 2,280
- 販売手数料(10%)
- 348
- 費用の合計
- 1,870
- 1個あたりの手取り
- 1,262
- 利益率
- 36.3%
- 損益分岐点の価格
- 2,077.78
- 40%に必要な価格
- 3,740
- 広告費の上限
- 1,462
- 必要なROASの下限
- 2.38倍
粗利は2,280ですが、手元に残るのは1,262です。差額の1,018は販売手数料348、送料350、その他120、広告200で、どれも粗利の下にある費用です。粗利だけを見て値付けすると、この1,018を見落とします。目標の40%に届かせるには、費用を変えないなら3,740で売ることになり、今より260高い値札です。市場がその価格を払わないなら、動かすのは価格ではなく費用のほうで、仕入先、送料、広告のどれかを削ることになります。どれを削るか決める前に、その商品が実際にいくらで売れているかを確認します。eBayなら eBay Product Research Tool(eBayの商品リサーチ)の Price Analytics タブに、売れた価格の範囲と Sell-through Rate、売れた個数が出ます。eBayで儲からないと感じるときの原因は、たいていこの表のどこかにあります。
この計算に含まれないもの このツールは入力された数字だけで計算します。マーケットプレイスの手数料、仕入先の価格、為替レートは知りません。所得税と消費税も含みません。例に使った10%は説明のための数字で、どのマーケットプレイスの料率でもありません。手数料の率は自分の売上明細か、マーケットプレイスの公式な料金ページで確認してください。
よくある質問
粗利と手取りはどう違いますか。
粗利は販売価格から仕入原価を引いた額で、販売手数料、送料、その他の費用、広告費はまだ引かれていません。手取りはそれらを全部引いたあとに残る額です。オンラインで売る場合、この4つは必ず発生するので、粗利は手取りより常に大きくなります。会計上の粗利を出したいだけなら、送料と手数料と広告費の欄を0にしてください。値付けや仕入れの判断に使うのは手取りのほうです。
粗利率はどう計算しますか。
粗利率は粗利を販売価格で割った割合です。1,200で仕入れた商品を3,480で売るなら粗利は2,280、粗利率は約65.5%になります。このツールが表示する利益率は、そこからさらに販売手数料、送料、その他の費用、広告費を引いたあとの率なので、同じ商品で36.3%です。粗利率だけを見て何パーセントが適正かを決めると、手数料と送料の分だけ必ず楽観的になります。目標から逆算したいときは、目標の利益率の欄に数字を入れると、必要な販売価格が出ます。
損益分岐点の価格はどう使いますか。
値下げやクーポン、まとめ売りの下限として使います。例の数字では2,077.78で、これより安い価格で売ると1個ごとに赤字です。ここで出るのは商品1個あたりの分岐点で、家賃や月額ツールのような固定費を含めた事業全体の損益分岐点とは別のものです。固定費を回収するのに必要な販売数を知りたいときは、月の固定費を1個あたりの手取りで割ります。
手数料の率はどこで確認しますか。
自分の売上明細か、マーケットプレイスの公式な料金ページです。このツールは料率を一切表示しません。カテゴリーや契約内容、年によって変わる数字を固定で書くと、読者の半分にとって間違いになるからです。eBayの料率はeBayの手数料、Shopifyの料金はShopifyの料金のページが公式の表を読んでまとめています。注文1件あたりの定額の手数料は、率の欄ではなくその他の費用の欄に入れてください。
税金は含まれますか。
含まれません。このツールが出すのは商品1個あたりの手取りで、所得税と消費税を引く前の数字です。消費税の標準税率は10%、軽減税率は8%です(国税庁タックスアンサーNo.6303、令和8年4月1日現在法令等、2026年10月8日閲覧)。ただし納める義務があるかどうかは別の話で、基準期間(個人事業者ならその年の前々年)の課税売上高が1,000万円以下なら原則として免除されます。免除されないのは、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合、特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合、課税事業者選択届出書を出している場合です(同No.6501、同日閲覧)。自分がどれに当たるかは国税庁のページと税理士で確認してください。
仕入が円で売上がドルの場合はどうしますか。
先にすべて同じ通貨にそろえてから入れます。eBay輸出では売上は米ドルのままPayoneerに入金され、円になるのは自分の銀行口座に出金したときです(eBayの手数料)。ドルで見るなら仕入原価と国内送料を自分が使っているレートでドルに換算し、円で見るなら販売価格をドルから円に換算します。円で見る場合は、出金手数料と為替レートの分だけ実際の手取りが目減りするので、その見込み額をその他の費用の欄に入れておくと、円の手取りに近い数字になります。
ROASが計算できないと表示されるのはなぜですか。
入力した数字では、広告費を引く前の段階ですでに赤字だからです。その状態を救うROASは存在しないので、大きな数字を目標のように見せる代わりに、計算できないと表示します。仕入原価、自己負担の送料、販売手数料の率のどれかが、その販売価格に対して高すぎます。3つのうちどれを動かせるかを見るために、1つずつ下げて手取りがプラスになる点を探してください。