Shopifyで売れない:集客と購入率の前に確かめる2つのこと
「Shopify 売れない」で調べると、答えはほぼ2つに集約されます。集客不足と購入率(コンバージョン率)の低さです。どちらも正しい指摘です。
ただし、この2つには前提があります。売っている商品を欲しい人がいる、という前提です。
この前提が崩れている場合、集客を増やしても購入率を上げても売れません。売れない原因を探すなら、集客と購入率の前に確かめることが2つあります。この記事はそこから始めます。
なぜ「作っただけでは売れない」のか
日本のセラーがまず戸惑うのはここです。Amazonや楽天市場、メルカリはモールで、買い手が最初からそこにいます。出品すれば、検索されて、見られます。
Shopifyは違います。Shopifyが提供するのはストアを作る仕組みであって、買い手を連れてくる仕組みではありません。開店しても、誰にも知らせなければ誰も来ません。
これが「集客不足」の正体で、ここまではどの解説にも書いてあります。問題は、集客を始める前に確かめるべきことが抜けている点です。
1つ目:その商品は、どこかで売れているか
集客に手をつける前に確かめるのは、その商品が、他のどこかで実際に売れているかです。
自分のストアで売れていないという事実は、2通りに読めます。商品には需要があるのにストアに人が来ていないのか、それともそもそも誰も欲しがっていないのか。この2つは、直す場所がまったく違います。前者は集客の問題ですが、後者はストアをどう直しても解決しません。
見分ける材料は2つあります。
- 同じ商品を扱う他のストアが、実際に売れているか。 出品されているだけでは足りません。売れている形跡を見ます。
- その商品の広告が、出稿され続けているか。 広告は出す側が費用を払い続けています。長く出続けている広告は、出す側にとって元が取れている広告です。
どちらにも売れている形跡がなければ、その商品に集客を注いでも、広告費が「売れない商品だった」と知るための代金になります。
ZIK AnalyticsのShopify Sales Trackerは、ストアのURLからそのストアの商品と推定売上を表示します。AdSpy Toolは、FacebookとInstagramで実際に出稿されている広告を検索し、出稿期間で並べ替えられます。どちらも推定を含む数値で、取引の記録そのものではありません。傾向を読むための材料です。なお現時点でアプリの表示は英語のみで、日本語表示には対応していません。
2つ目:価格は「売れているストア」から逆算する
商品に需要があると分かったら、次は価格です。ここでよくある間違いは、原価に利益を足して価格を決めることです。
買い手は原価を知りません。買い手が見ているのは、同じ商品を売っている他のストアの価格です。だから見るべきは、売れているストアがいくらで売っているかという価格帯です。
- 自分の価格が価格帯より上なら、商品ページをどれだけ整えても売れません。買い手は比べています。
- 価格帯より下なら売れるかもしれませんが、手数料、送料、広告費を引いた後に利益が残るかは別の問題です。
価格帯の中に入れて、かつ利益が残る。この2つが両立しない商品は、この段階で候補から外します。集客の前に外せば、失うのは時間だけで済みます。
そのうえで集客を見る
商品と価格が確かめられたら、ようやく集客の話です。
Shopifyの管理画面には、ストアに何人が訪れたか(セッション数)と、どこから来たかを見るレポートがあります。まずここを見ます。
- セッション数がほぼゼロなら、問題は集客そのものです。SNS、広告、検索、いずれかで人を連れてくる必要があります。どれが向くかは商品によって違います。
- セッション数はあるのに売れていないなら、集客の問題ではありません。次の購入率の話に進みます。
集客の手段を選ぶときに効くのが、1つ目の段階で見た情報です。売れているストアがどこから客を集めているかが分かっていれば、ゼロから試す必要はありません。
最後に購入率を見る
セッション数があるのに買われていない状態が、購入率の問題です。管理画面ではコンバージョン率として表示されます。
一般的に言われる対策は、写真、商品説明、送料の表示、決済手段、スマートフォンでの表示です。どれも効果はあります。
ただし1つ注意があります。購入率が低い原因は、商品ページとは限りません。 価格帯から外れていれば、ページがどれだけ良くても買われません。購入率の低さを見たら、2つ目の段階に一度戻って、価格帯を確かめ直してください。
診断の順番
| 段階 | 確かめること | 見る場所 | 当てはまるなら |
|---|---|---|---|
| 1. 商品 | 他のどこかで売れているか | 売れているストアの商品、出稿され続けている広告 | 売れていなければ商品を変える |
| 2. 価格 | 売れているストアの価格帯に入っているか | 同じ商品を売るストアの価格 | 外れていれば価格か商品を変える |
| 3. 集客 | ストアに人が来ているか | 管理画面のセッション数と流入元 | 来ていなければ集客を始める |
| 4. 購入率 | 来た人が買っているか | 管理画面のコンバージョン率 | 買われていなければページを直す。ただし2に戻って価格を再確認する |
順番を守る理由は1つです。 上の段階に問題があると、下の段階をいくら直しても結果が変わりません。売れない商品に集客しても、価格帯から外れた商品のページを磨いても、売上は動きません。
「儲からない」は別の問題
「売れない」と並んでよく出る相談が「儲からない」です。これは別の問題です。
売上は立っているのに手元に残らないなら、原因は商品ページではなく費用の内訳にあります。広告費、決済手数料、送料、返品。このどれかが売上に対して大きすぎる状態です。
特に広告費は、集客を広告に頼るほど売上と一緒に膨らみます。売れているのに儲からないストアの多くは、1件売るためにかかっている費用を計算していません。まずそこを出してください。
無在庫で運営している場合は、仕入れと送料の構造が通常のストアと違います。その場合の考え方は無在庫転売の記事にまとめてあります。
海外に売るという選択肢
「日本で売れないなら海外へ」という考え方があります。これ自体は選択肢として成り立ちますが、売り先を変えることは、需要の確認をやり直すことです。
日本で売れない商品が海外で売れることはあります。日本からしか手に入らない商品は、海外のセラーには仕入れられないからです。ただし判断の材料は変わりません。売り先で、実際に売れているか。 海外に売る場合の順番は越境ECの記事にまとめてあります。
まとめ
Shopifyで売れない原因は、集客不足と購入率の低さ、とよく言われます。それは正しいのですが、その前に商品と価格を確かめる必要があります。
順番は、商品、価格、集客、購入率です。上から順に確かめれば、少なくとも「売れない商品に広告費を足す」という最も高くつく失敗は避けられます。
よくある質問
Shopifyで儲からないのはなぜですか。
「売れない」と「儲からない」は別の問題です。売上が立たないなら、商品の需要と集客の問題です。売上はあるのに手元に残らないなら、広告費、決済手数料、送料、返品が積み上がっている状態で、直す場所は商品ページではなく費用の内訳です。
Shopifyは売れるサービスですか。
Shopifyはストアを作る仕組みであって、買い手を連れてくる仕組みではありません。売れるかどうかはストアの機能ではなく、売っている商品と、そこに人を集める活動で決まります。
売れない商品かどうかは、どう見分けますか。
同じ商品を扱う他のストアが実際に売れているか、そしてその商品の広告が長く出稿され続けているかを見ます。どこにも売れている形跡がなければ、ストアを直しても売れません。
集客を先に直してはいけないのですか。
商品に需要があると確かめられているなら、集客が先で正しい判断です。需要が未確認のまま広告を出すと、広告費が診断の代金になります。順番の問題です。
海外に売れば売れるようになりますか。
売り先を変えることは、需要の確認をやり直すことと同じです。日本で売れない商品が海外で売れる場合もその逆もありますが、判断の材料は同じで、売り先で実際に売れているかどうかです。