WordPressとShopifyの比較:費用、決済、保守を日本の料金ページで確かめる
WordPressとShopifyの違いは、「誰が保守するか」と「費用の形」の2つに集約されます。 WordPress+WooCommerceは、ソフトそのものは無料で、サーバー、更新、バックアップ、セキュリティを自分が持ちます。Shopifyは月額(Basicで月払い4,850円)の中にそれが含まれます。どちらが安いかは、サーバー代と、自分の時間をいくらと見るかで変わります。
検索上位にあるのは、EC制作会社とShopifyパートナーの記事、Shopify自身の比較ページ、海外の掲示板です。制作会社は受託しやすい側を、Shopifyは自社を勧めます。この記事は、WordPress.org、WooCommerce、Shopifyの日本向けページを2026年10月6日に読み、その日の数字だけで比べます。読めなかった数字(サーバー代)は書きません。
2つは同じ種類のものではない
先に前提をそろえます。WordPressは店を作るソフトではなく、サイトを作るソフトです。WordPress.orgは「WordPress はオープンソースのソフトウェアです」と説明していて、GPLというライセンスで公開され、ウェブ全体の43%以上のサイトで使われているとしています。そこにWooCommerceというプラグインを足して、初めて店になります。
Shopifyは最初から店を作るためのサービスで、サーバーも管理画面も決済も1つに入っています。Shopifyとは何かで扱ったとおり、モールではなく自分の店を建てるサービスで、海外に売ることが料金体系の前提に入っています。
| WordPress+WooCommerce | Shopify | |
|---|---|---|
| 何か | オープンソースのCMSに、オープンソースのECプラグインを足したもの | 店を作るための月額制のサービス |
| 動く場所 | 自分で契約したサーバー | Shopifyのサーバー |
| ソフトの費用 | 無料(WordPress.org) | 月額に含まれる |
| 保守するのは | 自分 | Shopify |
| 日本語の情報 | WordPress.org日本語、プラグインページ | 日本語のヘルプセンター、日本向け料金ページ |
「WordPress 対 Shopify」という比較は、正確には「自分のサーバーで動かすWooCommerce 対 Shopify」の比較です。以下もその意味で読んでください。
費用:本体、サーバー、決済、拡張
費用は4つの項目に分かれます。各社のページを読んだ範囲で並べます。
| 項目 | WordPress+WooCommerce | Shopify Basic |
|---|---|---|
| 本体 | WordPress、WooCommerceとも無料(WordPress.org) | 月払い4,850円、年払いは月額換算3,650円。最初の3日間は料金がかからず、その後3か月間は月額150円 |
| サーバー | 自分で契約。金額は契約先で決まる | 月額に含まれる |
| 決済手数料(国内カード) | WooPayments 3.60%、手数料に消費税10%が加わる | Shopify ペイメント 3.55% |
| 決済手数料(海外カード) | 3.60%に海外決済2.00%と通貨換算2.00%が加算 | 3.9% |
| 外部の決済サービスを使う場合 | その決済サービスの手数料 | 上に加えてShopifyへの取引手数料2% |
| 拡張 | プラグインページは「有料の商用アップグレードやサポート」があると明記。定期購入、予約、会員などの拡張機能は有料 | アプリストアのアプリ。有料のものもある |
| チャージバック | 1,500円(WooPayments手数料ページ) | 料金ページに記載なし |
WooPaymentsの日本の手数料は、WooCommerceの手数料ページの日本の欄で、カードが3.60%、海外のカードに2.00%、通貨換算に2.00%が加算、チャージバックは1,500円、そしてすべての手数料に「10% CT(消費税)」が適用されると書かれています。3.60%に消費税が乗るので、国内カードの実際の負担率は3.96%です。日本向けのWooPaymentsのページは、導入費用や月額料金はかからないと案内しています。
Shopifyの手数料は、料金ページでBasicが国内の標準カード3.55%、海外のカード3.9%、外部の決済サービスの取引手数料2%です。上位のGrowは3.4%と3.85%と1%、Advancedは3.25%と3.8%と0.6%です。入金までの日数や手数料の計算の詳細はShopifyの手数料の記事にまとめています。
サーバー代は、この記事では書きません。契約するサーバー会社とプランで決まり、この記事を書いた日にサーバー会社の料金ページを読んでいないからです。参考として、WordPress.comという公式のホスティングサービスの日本語の料金ページには、WooCommerceによるEC機能を含むCommerceプランが年払いで月額45米ドル(年540米ドル)と表示されています。これは自分でサーバーを借りる形ではなく、保守込みのサービスで、Shopifyに近い形です。
5,000円の注文1件で、何円払うか
率の違いを、注文1件に当てはめます。客単価5,000円、国内のカード決済の場合です。
- Shopify Basic:5,000円 × 3.55% = 約178円。月額は月払い4,850円。
- WooPayments:5,000円 × 3.60% = 180円。消費税10%が乗って198円。月額は0円、サーバー代が別。
1件あたりの差は約20円です。月に100件売れても2,000円で、Shopifyの月額4,850円とサーバー代の差のほうが大きい。つまり、この2つの費用の差は決済手数料ではなく、月額とサーバー代と保守の時間で決まります。 決済手数料の率で選ぶ理由は、ほぼありません。
海外のカードで売れた場合は差が開きます。Shopifyは3.9%、WooPaymentsは3.60%に海外決済2.00%と通貨換算2.00%が加算されます。海外に売る比率が高いなら、この項目は見ておく必要があります。
決済:日本で受けられるもの
日本の買い手が使う決済方法は、どちらの日本向けページにも限られた記載しかありません。
Shopify ペイメントの日本向けページ(2026年10月6日時点)は、「カード、デジタルウォレット、分割払い、仮想通貨での決済に、導入初日から対応可能です」と書いています。コンビニ決済とPayPayは、このページには載っていません。
WooPaymentsの日本向けページは、クレジットカードでの支払いやApple Pay等を受けられると書き、135種類以上の通貨に対応するとしています。コンビニ決済とPayPayは、このページにも載っていません。
| 決済方法 | Shopify ペイメント(日本向けページ) | WooPayments(日本向けページ) |
|---|---|---|
| クレジットカード | 記載あり | 記載あり |
| デジタルウォレット | 記載あり(Apple Pay等の個別名はこのページにはない) | Apple Pay等 |
| 分割払い | 記載あり | 記載なし |
| 仮想通貨 | 記載あり | 記載なし |
| コンビニ決済 | 記載なし | 記載なし |
| PayPay | 記載なし | 記載なし |
コンビニ決済やPayPayを入れるなら、どちらも外部の決済サービスを足す形になります。Shopifyは、外部の決済サービスで処理した注文にShopifyへの取引手数料(Basicで2%)が別にかかると料金ページにあります。WooCommerceは、その決済サービスの拡張機能を入れて、その決済サービスの手数料を払います。外部の決済サービスを使う場合に限って、Shopifyのほうが1段多く払う構造です。
保守と責任:いちばん大きな差
費用の表に出てこない差が、保守です。
WordPress+WooCommerceでは、次のすべてが自分の仕事になります。
- サーバーの契約と更新。 WooCommerceの動作要件はWordPress 7.0以上とPHP 7.4以上で、サーバー側のPHPのバージョンが古いとプラグインが動きません。
- WordPress本体、WooCommerce、テーマ、他のプラグインの更新。 更新を止めると脆弱性が残り、更新すると互換性が壊れることがあります。どちらも自分で判断します。
- バックアップと復元。 サーバー会社の機能か、バックアップのプラグインで自分で設定します。
- セキュリティ。 不正ログイン対策、SSL証明書、スパム対策。
- 決済の規定への対応。 カード情報の扱いは決済サービス側で行いますが、サイト全体の安全は自分の責任です。
Shopifyでは、この5つがサービス側にあります。管理画面の操作は必要ですが、サーバーが落ちた、PHPを上げなければならない、プラグインの更新で店が止まった、という事態は起きません。
この差は、売上が小さいうちは見えません。店が止まったときに、誰が直すのかで見えます。自分で直せる人、または直せる人を雇える人にとって、WordPressの自由は本物の資産です。直せない人にとって、同じ自由は負債になります。
自由度:何を自分で決められるか
保守を引き受ける代わりに、WordPressには制御できる範囲の広さがあります。
WordPressとWooCommerceはオープンソースで、WordPress.orgは「障壁なく構築し、変更し、頒布する自由」をコミュニティの前提として掲げています。テーマもプラグインも、コードを直接書き換えられます。店のデータは自分のサーバーにあり、別のサーバーに丸ごと移せます。
Shopifyは、テーマの編集とアプリの追加で店をカスタマイズします。できることは広いですが、Shopifyの枠の中です。データはShopifyのサーバーにあり、別のサービスに移すには書き出しと取り込みの作業が要ります。
この差が効くのは、すでにWordPressで記事を書いているサイトに店を足す場合です。同じ管理画面で記事と商品を扱えるのは、WordPress+WooCommerceだけの利点です。逆に、記事を書く予定がなく、店だけを運営するなら、この利点は使いません。
どちらを選ぶか
| 当てはまるなら | 選ぶのは |
|---|---|
| すでにWordPressのサイトがあり、そこに店を足したい | WordPress+WooCommerce |
| サイトの設計とデータを自分で完全に制御したい | WordPress+WooCommerce |
| 更新、バックアップ、セキュリティを自分で持てる、または持てる人がいる | WordPress+WooCommerce |
| 保守に時間を使いたくない | Shopify |
| 海外にも売る | Shopify(海外展開が料金体系の前提に入っている) |
| 月の売上がまだ読めず、月額を払いたくない | どちらでもなく、初期費用と月額0円のサービス型から |
最後の行は、この比較の外にある答えです。月の売上がまだ読めない段階では、WordPressの保守もShopifyの月額も、どちらも先に出ていく費用です。初期費用と月額0円で売れたときだけ手数料を払うサービスから始め、売れることを確かめてから移す順番のほうが、答えが出るまでの費用は小さくなります。その比較はネットショップのおすすめの記事にあります。
土台の前に決まること
WordPressかShopifyかで、売上は決まりません。同じ商品を同じ価格で出せば、どちらの土台でも最初の売れ方はほぼ同じで、違うのは月額と保守の時間です。
土台を比べる前に、同じ商品を扱う店が実際に売れているかを確かめるほうが結果に効きます。日本のShopifyストアがどんな商品を扱い、どの広告チャネルを使っているかは、日本のShopifyストアのデータレポートにまとめています。特定の店の実売の推移を見るなら、店のURLを入れると推定の販売数と売上が並ぶShopify Sales Trackerのような道具を使います。表示は推定値で、傾向を読むためのものです。
店を開いたあとに売れない原因の切り分けは、Shopifyで売れないときの診断で扱っています。土台をWordPressからShopifyに変えても、商品に需要がなければ結果は同じです。
まとめ
WordPressとShopifyの違いは、誰が保守するかと、費用の形です。WordPress+WooCommerceはソフトが無料で、サーバー代と保守の時間を自分が払います。Shopify Basicは月払い4,850円に保守が含まれます。決済手数料は国内カードでShopify ペイメント3.55%、WooPayments3.60%に消費税10%で、5,000円の注文1件あたりの差は約20円。差を決めるのは手数料ではなく、月額とサーバー代と保守です。コンビニ決済とPayPayは、どちらの日本向けページにも載っておらず、外部の決済サービスを足す形になります。
数字はこの記事を書いた2026年10月6日の読み取りです。料金は変わるので、決める前に各社の料金ページの日付と金額を自分の目で確かめてください。
よくある質問
WordPressとShopifyはどちらがいいですか。
保守を誰が持つかで決まります。WordPress+WooCommerceは、ソフトは無料ですが、サーバーの契約、WordPressとプラグインとテーマの更新、バックアップ、セキュリティがすべて自分の仕事です。Shopifyは月額(Basicで月払い4,850円)の中にそれが含まれます。自分で制御したい、すでにWordPressのサイトがある、という人はWordPress。保守に時間を使いたくない、海外にも売る、という人はShopifyです。費用だけで比べると、サーバー代の分だけWordPressが安く見えることがありますが、保守の時間は費用に入っていません。
WordPressでネットショップは作れますか。
作れます。WooCommerceというプラグインを入れる形で、WordPress.orgのプラグインページは「WordPress 向けのオープンソースの eコマースプラットフォーム」と説明し、プラグイン自体は無料、有効インストール数は7百万以上と書いています。動作にはWordPress 7.0以上とPHP 7.4以上が必要です。決済はWooPaymentsが日本に対応していて、導入費用や月額料金はかからず、カード手数料は3.60%に消費税10%が加わります。サーバーは自分で契約します。
Shopifyの月額費用はいくらですか。
Shopifyの日本向け料金ページ(2026年10月6日時点)では、Basicが月払い4,850円(年払いなら月額換算3,650円)、Growが13,500円(同10,100円)、Advancedが58,500円(同44,000円)、Plusが月額368,000円からです。最初の3日間は料金がかからず、その後3か月間は月額150円で使えると書かれています。これに加えて、売れたときにShopify ペイメントのカード手数料(Basicで国内の標準カード3.55%)がかかります。
WordPressのネットショップにサーバー代はいくらかかりますか。
契約するサーバー会社とプランで決まります。この記事はサーバー会社の料金ページを読んでいないので、数字を書きません。代わりに、WordPress.comという公式のホスティングサービスの日本語の料金ページには、WooCommerceによるEC機能を含むCommerceプランが年払いで月額45米ドル(年540米ドル)と表示されています(2026年10月6日時点)。自分でサーバーを借りる場合は、WordPress 7.0以上とPHP 7.4以上に対応しているかを確認してください。
ShopifyとWooCommerceでコンビニ決済やPayPayは使えますか。
どちらの日本向けページにも載っていません。Shopify ペイメントの日本向けページ(2026年10月6日時点)はカード、デジタルウォレット、分割払い、仮想通貨を挙げています。WooPaymentsの日本向けページはクレジットカードとApple Pay等を挙げています。入れるなら、どちらも外部の決済サービスを足す形です。Shopifyの場合は、外部の決済サービスで処理した注文にShopifyへの取引手数料(Basicで2%)が別にかかります。WooCommerceの場合は、その決済サービスの拡張機能を入れて、その決済サービスの手数料を払います。
WordPressからShopifyに移行できますか。
商品、顧客、注文のデータを移す作業になります。Shopifyのヘルプセンターには、オンラインストアをShopifyに移行するためのチェックリストが用意されています。この記事は移行の手順そのものは扱っていません。移行を考える前に、いまのサイトで売れていない原因が土台なのか商品なのかを切り分けるほうが先です。土台を変えても、商品に需要がなければ結果は同じです。