eBayアカウントの作成方法:登録の順番と、あとで変えられない選択
eBayの登録でつまずく人の多くは、操作を間違えたわけではありません。進む順番が、想像しているものと違うのです。
eBayには「販売者として登録する」というボタンがありません。まず普通のアカウントを作り、そのあと出品の操作を始めると、その流れの途中で販売者登録の画面に入ります。つまり出品するために登録するのではなく、登録するために出品を始めるという順番です。これを知らずに「セラー登録はどこだろう」と探し続けて止まってしまうのが、最もよくある詰まり方です。
この記事では、日本から登録する場合の手順を、実際に画面が出てくる順番どおりに並べます。あわせて、あとから変更できない選択を最初にまとめておきます。アカウントの種別には戻せないものがあり、それを月単位で後悔する人がいるからです。
そもそもeBayがどういう場所なのかはeBayとは何かの記事で、やるかどうかの判断材料はeBayはやめとけと言われる理由の記事で扱っています。ここは、やると決めた人のためのページです。
この登録は、思っている順番では進みません
eBayが公開している販売者登録の流れは6段階で、こうなっています。
アカウント作成、商品の出品、Payoneerアカウントの作成、eBayとPayoneerの連携、Payoneerの書類審査、販売準備の完了。
2番目に「商品の出品」が来ていることが、この登録の性格を決めています。eBayは「初めて出品商品を登録することで、セラーアカウントが作成されます」と書いています。出品操作が登録の引き金なのです。
ここで当然心配になります。中身の決まっていない商品を出して、本当に売れてしまったらどうするのか。eBayはその点を二度、明言しています。ひとつは「eBayアカウントとPayoneerアカウントの紐づけが行われていない限り、ここで入力した情報のまま出品されることはありません」。もうひとつは「セラーアカウント登録が完了していない状態であれば、[List it]をクリックしても実際に出品されることはございません」。
eBayはこの入口用の出品を仮出品と呼び、商品説明には「Test listing」のような仮の文字列を入れてよいとしています。写真も1枚で足ります。本当の最初の出品は、登録が全部終わってから作るものです。その作り方はeBayの出品方法の記事にあります。
先に決めること:開業届と、あとで戻せない選択
手を動かす前に決めるのは、アカウントの種別です。基準は売上規模ではなく、開業届を出しているかどうかです。
開業届を出していない個人はパーソナルアカウント、法人または開業届を出している個人事業主はビジネスアカウントになります。ビジネスアカウントにすると出品や請求書に自社名を表示でき、米国とカナダ以外を拠点に出品する場合は買い手に付加価値税の率を提示できます。
そして、ここが本題です。eBayとPayoneerで、戻せる方向が違います。
| 変更したい内容 | 可能か | どこの話か、根拠は何か |
|---|---|---|
| 個人からビジネスへ | できる | eBayのアカウント。開業届を出した個人事業主や法人は変更可能とeBayが案内 |
| ビジネスから個人へ | できない | eBayのアカウント。「一度ビジネスアカウントとしての登録が行われますと、個人アカウントへの変更はできません」 |
| 口座の種別 | 登録後は不可 | Payoneerのアカウント。「個人・法人アカウントのタイプは登録後に変更できないためご注意ください」 |
| ユーザー名 | いつでも可 | eBay IDのこと。変更はいつでも可能とeBayが明記 |
この表の2行目と3行目は、別々のページに書かれている別の会社の話です。混同して「eBayの種別は変えられない」と書いている解説もありますが、正確にはeBayは片方向だけ変更でき、Payoneerは変更できないという組み合わせです。
実務的な意味はひとつです。近いうちに開業届を出す予定があるなら、最初からビジネスで登録したほうが手戻りがありません。逆に、まだ趣味の整理の範囲なのかビジネスなのか決めていないなら、パーソナルから始めるほうが選択肢が残ります。なお、どちらが適切かは税務と事業の話でもあるため、eBay自身も法律や税務の専門家に相談するよう案内しています。
用意するもの
eBayが事前の準備物として挙げているのは4つです。
| 用意するもの | 条件 |
|---|---|
| 携帯電話番号 | 本人名義。認証コードを受信できること |
| クレジットカード | 本人名義。VISAまたはMastercardで、海外決済に対応していること |
| メールアドレス | eBayの認証メールを受信できること |
| 銀行口座情報 | 売上金を受け取る口座。Payoneerの登録で使います |
クレジットカードは買い物用ではなく、販売手数料の決済用です。VISAとMastercardに限られ、海外決済に対応していない国内専用カードは通りません。登録を始めてから気づくと止まるので、ここだけは先に確認しておく価値があります。
これに加えて、Payoneerの審査で書類を提出します。個人の場合は身分証明書の写しが1点と、住所が確認できる書類が1点です。
身分証明書は、パスポート、運転免許証、写真付きの在留カード、写真付きの特別永住者証明書のいずれか。住所確認は、運転免許証、マイナンバーカード、3か月以内に発行された住民票、公共料金の請求書、賃貸契約書、銀行口座の取引明細書のいずれかです。住民票を使う場合は本籍とマイナンバーの記載がないものを用意します。
法人と個人事業主の場合は点数が増えます。法人確認書類、法人所在地の確認書類、取引担当者の個人情報、実質的支配者の全員分の個人情報と身分証明書、取締役やパートナーの個人情報が最大10名分、そして担当者が実質的支配者でない場合は委任状です。ここは明らかに個人より重く、書類の収集に日数がかかる前提で動いたほうがよいところです。
手順1:eBayアカウントを作る
ebay.comを開き、画面左上の[register]をクリックします。
入力するのは氏名、メールアドレス、パスワードです。[First name]に名、[Last name]に姓を、どちらも英字で本名を入れます。ニックネームは使えません。パスワードは6文字以上の英数字です。法人または個人事業主の場合はビジネスアカウントを選び、ビジネス名を英字で入力します。屋号のない個人事業主は、ここに氏名を英字で入れます。
利用規約を確認して[Create account]を押します。ビジネスアカウントの場合は、登録したメールアドレスに確認コードが届くので、それを入力して「Verify」ボタンを押します。電話番号の認証は、このあとの販売者登録の段(手順4)で行います。
eBay ID(ユーザー名)はここで決めても、[Skip]で自動生成に任せてもかまいません。あとからいつでも変更できます。ただしIDは取引時に公開される名前なので、eBayは誕生日などの個人情報を含めないよう注意しています。あわせて、"eBay"という文字列、&や@などの特殊文字、ハイフンやアンダーバーの連続、同じ文字の繰り返しは避けるよう案内されています。
なお、登録は18歳以上が条件です。
手順2:住所と氏名をアルファベットで入力する
次が住所と電話番号です。eBayの登録について検索したときに、最も多く出てくる質問がここです。
入力はすべて半角英数字で、住所は日本語とは逆の順に書きます。番地から始めて、町、市区町村、都道府県へ向かいます。eBay自身が次の変換例を公開しています。
| 日本語表記 | 入力欄 | 入力する値 |
|---|---|---|
| 港南1-12-34 | Address | 1-12-34 Konan |
| 港区 | City | Minato-ku |
| 東京都 | State/Province/Region | Tokyo |
| 〒108-0075 | Postal code | 1080075 |
郵便番号はハイフンを抜いた7桁の数字だけです。日本に住んでいるなら、登録住所(Registration Address)は必ず日本にします。すでにPayoneerの口座を持っている場合は、Payoneerに登録している住所と同じものを入れてください。不一致は後の連携でそのまま詰まります。
ひとつだけ例外があります。Payoneerの登録では、身分証明書の氏名と銀行口座の名義をカタカナで入力します。 住所も氏名もアルファベットで通してきたあとに突然カタカナの欄が出てくるので、入力を間違えやすいところです。アルファベットはeBay側、カタカナはPayoneer側の本人確認用、と覚えておくと迷いません。
手順3:仮出品でセラーアカウント登録に進む
ここで販売者登録に入ります。eBay.comにログインし、ページの言語設定を確認してください。日本語になっている場合は英語に切り替えます。これはこちらの好みではなく、eBayの販売者登録の手引きがそう指示しています。
[My eBay]から[Selling]を開き、[List an item]をクリックします。Seller Hubを導入済みなら[Listings]から[Create listings]です。Seller HubそのものについてはSeller Hubの記事で扱っています。
そこから先は仮出品です。入れる値は仮のもので足ります。
商品を検索して近いものを選び、該当するものがなければ画面下部の[Continue without match]を押します。商品の状態を選んで[Continue to Listing]、写真を1枚追加(本来は最大24枚)、カテゴリーとブランドなどを確認し、商品説明には「Test listing」のような仮の文字列を入れます。価格は[Buy It Now]を選んで金額と数量を入力、配送は既定値のまま、[Preferences]の編集でJapanと発送元の地域を選び、返品ポリシーを選んで[Done]。
最後に[List it]を押すと、販売者登録の画面に移り、[Get started]で登録が始まります。繰り返しになりますが、Payoneerの連携が終わるまでこの仮出品は公開されません。
手順4:電話番号を認証する
携帯電話番号を入力し、SMSか自動音声でPINコードを受け取ります。
[Text me]を押すとSMSで4桁の数字が届きます。[Get a call]を選ぶとeBayから自動音声の電話がかかり、「Hello, this is eBay calling. If you are expecting this call, press ...」という案内のあと、指示された番号を押すとPINコードが読み上げられます。
受け取った4桁をそのまま入力します。入力時はハイフンなし、最初の0は省略します。[Continue]を押せば販売者登録は完了です。
手順5:Payoneerを開設し、eBayと連携する
eBayはManaged Paymentsという仕組みを採っていて、日本の販売者の売上金はPayoneer経由で受け取ります。Payoneerを持っていなければ、この流れの中で開設します。
[Yes, keep this as an individual account]で個人として進み、口座がなければ[No, create one]で開設に入ります。すでに持っている場合は[Yes, sign in]でログインし、連携だけ行います。入力途中に出るポップアップは、右上の窓マークから表示言語を日本語に変えられます。
入力は4ページに分かれています。1ページ目は生年月日(氏名とメールはeBayから引き継がれます)。2ページ目は市区町村番地を英字で(例:100-100-100, Konan, Minato-ku)、建物名は任意、都道府県を英字、郵便番号をハイフンなしで、そして携帯電話番号と認証コード。入力欄は1行50文字までです。3ページ目はパスワード、秘密の質問と回答、国籍、身分証明書の発行国、身分証明書の種類と番号と有効期限、そして身分証明書に記載の氏名をカタカナで。4ページ目は銀行口座で、所在国、通貨、銀行名、名義をカタカナで、支店コード、口座番号、口座種別です。
eBayに戻ったら引き継がれた内容を確認し、販売手数料の決済用にVISAまたはMastercardを登録します。eBayとPayoneerの登録情報が一致しているかは、ここで必ず確認してください。[Submit request]で申請が終わります。
手順6:Payoneerの書類審査を通す
最後にPayoneerへ書類を提出します。手順の「用意するもの」で挙げた、身分証明書と住所確認の書類です。有効期限内の最新のものを使います。
審査には営業日基準で3日から5日かかります。 ここだけは待つしかない部分で、登録全体の所要時間を決めているのも実質この審査です。進捗はPayoneerにログインして確認できます。
審査が通れば、自動的にeBayで販売を開始できる状態になります。何か問題が起きた場合は、日本語で相談できるセラービジネスケアという窓口が用意されています。
登録に費用はかかるのか
かかりません。eBayは「アカウント登録時に初期費用はかかりません」と自社の料金ページに明記しています。年会費という費用は存在しません。
費用が発生するのは出品したときと売れたときです。そこに任意のストア契約が加わりますが、これは年額ではなく月額で、契約しない状態でも固定価格形式の無料出品枠が毎月250品あります。つまり、登録して少し試してみる段階では、売れるまで実質的な固定費はありません。
料率そのものはeBayの手数料の記事にカテゴリー別と日本の販売者向けの数字をまとめてあります。この記事では、登録の段で必要になる1点、つまり手数料決済用の海外対応クレジットカードが必須だということだけ押さえておけば足ります。
なお、日本から売る以上すべての取引が輸出になるという前提は、登録のあとに効いてきます。そこはeBay輸出の記事で扱っています。
登録が終わったら:仮出品を本当の出品に変える
審査が通った時点で、アカウントには中身のない仮出品が残っています。これを消して、売るつもりのある商品を出すのが次の作業です。
そして、ここで初めて「何を売るか」という問いが現実になります。登録作業の間は考えずに済んでいたぶん、急に決められないものです。
はっきり書いておくと、ここまでの登録作業に当社のツールは一切関係ありません。 アカウントの開設、Payoneerの連携、本人確認のどれにも関わる機能はありません。関係してくるのは、この次の一歩、つまり売れている商品を探す段からです。
この画面を日本の販売者が見るときに意味があるのは、マーケットプレイスの選択がeBay.comになっている点です。eBayに日本国内向けの市場はないため、見るべき数字は最初から海外の市場のものになります。国内のフリマアプリで売れているものと、ここで売れているものは別です。
実際の出品作業と、出品前に決めておく価格と送料の話はeBayの出品方法の記事にまとめています。登録が終わった人が次に読むのはそこです。
つまずきやすいところ
最後に、ここまでで出てきた詰まりやすい点をまとめます。
セラー登録のボタンを探しても見つからないのは正常です。出品操作がその入口です。仮出品は公開されないので、仮の値で進めて問題ありません。画面の言語は英語にしてから始めます。住所は番地から都道府県の順で、郵便番号はハイフンなし。カタカナで入れるのはPayoneerの身分証明書の氏名と口座名義だけです。クレジットカードは海外決済対応のVISAかMastercardに限られます。そしてビジネスアカウントから個人アカウントには戻せません。
登録そのものは、順番さえ分かっていれば難しい作業ではありません。難しいのはこのあと、何をいくらで売るかを決めるところです。
よくある質問
eBayのアカウントを作るのに必要なものは何ですか。
本人名義の携帯電話番号、本人名義で海外決済に対応したVISAまたはMastercardのクレジットカード、認証メールを受け取れるメールアドレス、そして売上金を受け取るための銀行口座情報です。これに加えてPayoneerの審査用に、パスポートや運転免許証などの身分証明書の写しと、住所が確認できる書類の写しを提出します。
eBayの年会費はいくらですか。
年会費はありません。eBayは登録時の初期費用もとらないと自社のページで明記しています。費用がかかるのは出品したときと売れたときで、これに任意のストア契約が加わります。ストアは年会費ではなく月額で、契約しない状態でも固定価格の無料出品枠が毎月250品あります。料率は[手数料の記事](/blog/ebay-fees)にまとめています。
eBayのアカウント登録は日本語でできますか。
案内と問い合わせは日本語で用意されていますが、登録画面そのものは英語で進めることが前提です。eBayの販売者登録の手引きは、ページの言語設定が日本語になっている場合は英語に切り替えるよう指示しています。入力する値もすべて半角アルファベットです。
個人でeBayのアカウントを作るにはどうすればいいですか。
開業届を出していない個人であれば、パーソナルアカウントを選びます。法人、または開業届を出している個人事業主はビジネスアカウントです。パーソナルからビジネスへは後から変更できますが、逆はできません。
eBayで日本の住所を登録するにはどうしたらいいですか。
半角アルファベットで、海外の表記順に書き替えます。番地、町、市区町村、都道府県の順で、郵便番号はハイフンを抜いた数字だけです。居住地が日本であれば登録住所は必ず日本にします。この記事に変換表と実例があります。
セラーアカウントはどこから登録するのですか。
専用の登録ボタンはありません。eBayアカウントを作ったあと、出品の操作を始めると販売者登録の画面に進みます。eBayはこの入口用の出品を仮出品と呼び、Payoneerとの連携が終わるまで実際には出品されないと説明しています。
登録にはどのくらい時間がかかりますか。
画面の操作自体は長くありません。待ち時間を決めるのはPayoneerの書類審査で、eBayは営業日基準で3日から5日と案内しています。審査が通ると自動的に販売を始められる状態になります。
英語が苦手でも登録できますか。
登録はできます。画面の英語は項目名が中心で、入力する値も住所と氏名のアルファベット表記が大半です。日本語の案内記事と、日本語で相談できる窓口も用意されています。ただし販売を始めれば買い手との連絡は英語になるため、そこは別の話として考えておいてください。