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eBayはやめとけと言われる理由:4つの原因を公式の数字で確かめる

「eBayはやめとけ」は、根拠のない話ではありません。実際にやめた人が書いた記事も、失敗の理由を並べた記事も、検索すれば大量に出てきます。

ただし、その理由の中身はほとんど4つに絞れます。手数料、国際送料、返品、セラー指標です。そしてこの4つは、意見ではありません。eBayと日本郵便の公式ページに、料率と条件と金額が書かれています。

だから、この記事がやることは「やめたほうがいい」か「やったほうがいい」を言うことではありません。4つの理由の数字を1つずつ公式ページから出して、そのうちどれが自分の商品に当てはまるのかを判断できる状態にすることです。結論を先に言うと、4つのうち動かせないのは手数料の料率だけで、残りの3つは扱う商品と売り方で結果が変わります。つまり「eBayがだめ」という話ではなく、「その商品ではだめ」という話になります。

収入の例や月商の数字は出しません。この記事に出てくる金額は、すべて出典のある料率と料金表の数字だけです。

「やめとけ」の理由は、この4つに集約される

先に全体を並べます。以下はすべて2026年9月26日に各公式ページで確認した内容です。

言われる理由実際の規定と、それを決めているページ
手数料が高い落札手数料は多くのカテゴリーで13.6%(1点あたり売上総額7,500ドルまで)、注文1件あたり0.40ドル(10ドル以下は0.30ドル)、加えて日本登録セラーの国際手数料1.35%。出典はeBayの料金ページ
国際送料が高い米国向けの小形包装物(航空便)は500gまで1,670円。100gごとに210円ずつ上がる。出典は日本郵便の第4地帯の料金表
返品で不利になる商品が破損・不良・商品説明と違う場合、返品不可の設定でも返品を受け、返送料もセラーが負担する。出典はeBayの返送料のページ
手数料が上がる・アカウントに響くセラーレベルがBelow Standardで翌月の落札手数料に6%上乗せ(4か月以上続くと7%)、「説明と異なる商品」の返品率がVery Highで5%上乗せ。出典はeBayの料金ページ

4つのうち上の2つは計算の問題で、商品を選べば変わります。下の2つは運用の問題で、やり方で変わります。順に見ていきます。

なお、eBayとは何か、日本国内向けのサイトがないとはどういうことかはeBayとはの記事で説明しています。この記事はその先、始めるかどうかを決める話だけを扱います。

理由1:手数料は「売値の13.6%」ではない

最も多い誤解がここです。eBayの料金ページを読むと、多くのカテゴリーの落札手数料は13.6%と書かれています。問題は、何に対する13.6%なのかです。

料金ページの定義では、計算の対象は「売上総額(total amount of the sale)」で、そこには次のものが含まれます。

  • 商品価格
  • 手数料(handling charges)
  • 買い手に請求した送料
  • 売上税
  • その他の適用される料金

つまり、買い手が15ドルの送料を払った場合、その15ドルにも13.6%がかかります。送料はセラーが日本郵便に払う実費なので、実費の上に手数料が乗る形になります。

さらに、日本登録のセラーには国際手数料が加わります。eBayの米国向け料金ページには1.65%と書かれていますが、それは米国登録のセラーの数字です。日本のセラーが見るのは海外セラー向けのページで、そこには登録住所の国ごとの表があり、日本は1.35%です(2026年9月26日確認)。

日本のセラーだけに効く一文

料金ページには、日本を名指しした規定があります。中国、香港、インドネシア、イスラエル、日本、マカオ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムのセラーで、商品が米国内にない場合、売上総額は必ず買い手が選んだ配送方法の送料で計算されるというものです。

米国のセラーには「より安い国内配送を用意していれば、その送料で計算する」という例外があります。日本からの出品にはその例外が使えません。「安い配送方法も出しておけば手数料の基準を下げられる」という手は、日本からは成立しません。

15ドルの送料を請求したとき、手元に残るのは

具体的に計算します。買い手に15ドルの送料を請求した場合、その15ドルにかかる手数料は落札手数料13.6%と国際手数料1.35%の合計で、15ドル × 14.95% = 2.24ドルです。

つまり、買い手から受け取った15ドルのうち、実際に日本郵便への支払いに回せるのは12.76ドルです。送料を「実費だから関係ない」と考えると、この2.24ドルが毎回抜けます。

そして、送料を無料にしても結果は変わりません。値札に送料を含めれば、その分だけ商品価格が上がるだけで、買い手が払う合計は同じです。手数料は合計にかかるので、送料無料は手数料を減らしません。減るのは買い手から見た表示の仕方だけです。

手数料の5つの段階、出品手数料とストア料金、Payoneerでの入金と円に替える費用まで含めた全体の計算は、eBayの手数料の記事にまとめています。

理由2:国際送料は、単価の低い商品を先に殺す

「国際送料が高い」という理由は、正確には「高い」ではなく「商品の値段と無関係に同じだけかかる」です。これが低単価の商品を成立させなくします。

日本郵便の第4地帯(米国あて)の料金表から、小形包装物の航空便を抜き出します(2026年9月26日確認)。

梱包後の重さ小形包装物(航空便)の料金
100gまで830円
200gまで1,040円
300gまで1,250円
400gまで1,460円
500gまで1,670円
600gまで1,880円

この表が示していることは2つあります。ひとつは、100gごとに210円ずつ、きれいに階段状に上がること。もうひとつは、この金額は中身が2万円の商品でも2,000円の商品でも同じだということです。

同じ計算を、2つの価格でやってみる

梱包後400gの商品を、米国の買い手に送るとします。送料の実費は1,460円です。買い手には送料15ドルを請求します。

商品価格80ドルの場合

  • 売上総額:80ドル + 15ドル = 95ドル
  • 落札手数料 13.6%:12.92ドル
  • 注文1件あたりの定額:0.40ドル
  • 国際手数料 1.35%:1.28ドル
  • eBayが差し引く合計:14.60ドル(売上総額の15.4%)
  • 入金される額:80.40ドル

商品価格20ドルの場合

  • 売上総額:20ドル + 15ドル = 35ドル
  • 落札手数料 13.6%:4.76ドル
  • 注文1件あたりの定額:0.40ドル
  • 国際手数料 1.35%:0.47ドル
  • eBayが差し引く合計:5.63ドル(売上総額の16.1%)
  • 入金される額:29.37ドル

手数料の率はほとんど変わりません。変わるのはそのあとです。どちらの場合も、この入金額から同じ1,460円の送料実費と、同じ仕入れ値と、Payoneerの出金費用を引きます。80.40ドルから引くのと29.37ドルから引くのでは、残るものが違います。

為替レートは日によって変わるので、この記事では円の金額を出しません。ただし順番は変わりません。送料は固定費なので、単価が下がるほど手取りを圧迫します。 これが「eBay輸出は儲からない」と言った人の計算と、成立させている人の計算を分けている最大の要因です。

梱包でも金額が動きます。商品が380gで梱包材が30gなら410gになり、400gの区分を超えて210円上がります。梱包材を軽くすれば区分の中に収まります。サービスの選び方、追跡の有無、関税を誰が払うのかはeBayの送料の記事で扱っています。

理由3:返品は、返品不可にしても断れない

3つ目の理由は、ここまでの2つと性質が違います。計算ではなく、規定です。そして「バイヤーが有利」と言われる部分の実体は、eBayのページにはっきり書かれています。

eBayの返送料のページ(2026年9月26日確認)は、こう書いています。商品が破損していた、不良だった、商品説明と一致しなかった、という理由の返品は、eBayマネーバックギャランティーによって買い手が無料で返品できる。したがってセラーは返品を受け付け、返送料も負担する必要がある。通常は返品を受け付けない設定にしていても同じです。

「返品不可にしておけば返送料を払わなくて済む」は成立しません。 断れるのは、商品に問題がなく買い手の都合による返品の場合だけです。

もうひとつ、見落とされやすい規定があります。同じページは、返送料を払った側が、荷物が届かなかったときに運送業者とやり取りする責任を負うと書いています。セラーが返送料を負担する取引では、返送中に荷物が行方不明になったときに動くのはセラーです。

3営業日、そして日本の祝日は止まらない

ここが、日本から出品しているセラーにとって最も実務的な部分です。

買い手が返品リクエストを開いたら、セラーの対応期限は3営業日です。eBayの英語のヘルプページも「You have 3 business days to respond」と書いており、eBay Japanはこれをセラー対応期間(SMIR)と呼んでいます。この間に、返送用ラベルを提供するか、その時点で返金するかを選びます。

そしてeBay Japanのページには、注記としてこう書かれています。ケース対応における営業日は取引が発生したサイトのカレンダーに準拠し、日本の祝日は営業日として扱われる。

米国サイトで売れた商品の返品リクエストは、米国のカレンダーで数えられます。ゴールデンウィークも、お盆も、年末年始も、3営業日のカウントは止まりません。 連休前に届いたリクエストを連休明けに開くつもりでいると、その時点で期限は過ぎています。

3営業日で解決できなかった場合、買い手はeBayに介入を求められるようになります。eBay Japanのページによれば、介入の結果が買い手有利になると、セラーレベルに悪影響を与えるDefectと未解決ケースがカウントされます。

もう1つ、日本からの取引に固有の問題があります。米国内の返品なら、eBayの返送用ラベルを1クリックで送れます。日本からの取引では荷物が逆向きに国境を越えるので、同じようにはいきません。返送用ラベルをどう用意するか、返品期間の選び方、一部返金の注意点、評価への影響はeBayの返品と評価の記事にまとめています。

理由4:指標が悪化すると、翌月の手数料が上がる

4つ目は、ほとんどの記事が「アカウントが止まるリスク」としか書いていない部分です。実際には、止まる前に手数料として請求されます。

eBayの料金ページには、通常の料率に上乗せされる条件が書かれています(2026年9月26日確認)。

  • セラーレベルがBelow Standardと判定されると、翌月の落札手数料に6%が上乗せされます。判定は毎月20日です。
  • それが4か月以上続くと、上乗せは7%になります。Above Standard以上に戻るまで続きます。
  • 「説明と異なる商品(Item not as described)」の返品リクエスト率がVery Highと判定されると、該当カテゴリーの翌月の落札手数料に5%が上乗せされます。

13.6%が19.6%になる、ということです。これは商品を変えても下がりません。

この2つの指標を悪化させるものは、理由3で見たものと同じです。商品説明と実物の差、返品対応の遅れ、追跡のない発送。だから「商品説明を正確に書く」と「追跡つきで送る」は、丁寧さの話ではなく手数料の話です。

出品数が多い人ほど効きます。eBayの料金ページでは多くのカテゴリーで毎月250件までの出品が無料で、それを超えると1件0.35ドルですが、上乗せは件数ではなく売上全体の料率にかかります。

それでも続けている人の計算は、どこが違うのか

ここまでの4つから、逆算できることがあります。誰かの成功談ではなく、上の数字から出てくる条件です。

  1. 単価が高い。 送料は固定費なので、単価が上がるほど手取りに占める割合が下がります。同じ1,460円の送料が、80ドルの商品なら吸収できて20ドルの商品なら吸収できない、というのが理由2の計算でした。
  2. 価格で直接比較されにくい商品を扱っている。 新品の量販品は、海外の買い手が他のセラーと1ドル単位で比べます。手数料を理由に相場より高い値段をつけても売れません。比較されにくい商品であれば、手数料と送料を価格に織り込む余地があります。
  3. 商品説明が正確で、追跡つきで送っている。 理由3と理由4がここで効きます。返品率とセラーレベルは、翌月の料率に直接つながります。
  4. 出す前に、売れた価格を確かめている。 ここまでの計算は全部、売れる価格が分かって初めて意味を持ちます。

日本にいること自体は不利ではありません。日本でしか手に入らない商品は、海外のセラーには仕入れられないからです。その構造はeBay輸出とはの記事で扱っています。

4番目について、いま無料でできること

出品されている価格と、実際に売れた価格は別物です。判断に使えるのは後者だけです。

eBayの落札済み商品(Sold listings)の履歴を自分で見るのが基本で、ブラウザだけでできます。ZIK AnalyticsにはeBay Chrome Extensionという拡張機能があり、これはeBayのページを見ながら、その商品の販売履歴とセラーの販売状況を確認するためのもので、無料で使えます。まだ始めるかどうかを決めていない段階なら、費用をかけずに確かめられるという点で、ここが最初の一歩になります。

もう少し踏み込んで、キーワード単位で売れた件数やSell-through Rate(出品に対して売れた割合)、価格帯ごとの売れ方まで見るなら、eBay Product Research Toolが該当します。ZIK Analyticsの全機能は1ドルのトライアルで試せます。画面は英語です。見る数字と手順はeBayリサーチのやり方にまとめています。

なお、ここでZIKの話をしているのは4番目の項目だけです。理由1から4の数字はeBayと日本郵便のものであって、ツールで変わるものではありません。

「やめとけ」が当たる場合と、外れる場合

ここまでの数字を、判断の形に並べ替えます。

「やめとけ」が当たりやすい「やめとけ」が外れやすい
単価の低い新品の量販品を、価格で競争して売る単価が高く、価格で直接比較されにくい商品を売る
梱包後の重さと送料を、出品前に確定させていない重さと送料を先に確定させ、手数料を引いた手取りで価格を決める
出品されている価格を見て仕入れを決める実際に売れた価格と売れた件数を見て仕入れを決める
商品説明を簡単に済ませ、追跡のない方法で送る商品説明を実物どおりに書き、追跡つきで送る
今月のお金が必要で、すぐに結果がほしい数か月かけて評価と実績を積む前提で始める
英語でのやり取りを避けたい返品や問い合わせに英語で3営業日以内に返せる

左の列に多く当てはまるなら、その売り方については「やめとけ」は正しい忠告です。 右の列に多く当てはまるなら、同じ4つの理由は管理できるコストと手順になります。

「eBayがだめ」という結論にはなりません。「この商品とこの売り方ではだめ」という結論になります。

決める前に確かめる3つの数字

始めるかどうかを判断するのに必要なのは、この3つです。どれも、1円も使わずに調べられます。

  1. その商品が、米国の買い手に実際にいくらで売れているか。 出品価格ではなく落札済みの価格です。ここが分からないうちは、残りの計算はできません。
  2. 梱包後の重さと、その重さの送料。 日本郵便の第4地帯の料金表で、区分の境目に近いかどうかも確かめます。
  3. 売れた価格から手数料を引いた手取り。 売上総額に対して13.6%と0.40ドルと1.35%、そこから送料の実費と仕入れ値を引きます。

3つ埋めて成り立たないなら、その商品では成り立ちません。 値段を上げて成立させることはできません。海外の買い手は他のセラーと比べているからです。次にやることは、価格を上げることではなく商品を変えることです。

3つ埋めて成り立つなら、「やめとけ」と言っている記事はあなたの商品の話をしていません。出品の手順はeBay出品のやり方にあります。

よくある質問

eBayは本当にやめたほうがいいですか。

商品によります。国際送料は商品の値段に関係なく同じだけかかるので、単価の低い量販品を価格で競争して売るなら、この記事の計算はほぼ成立しません。単価が高く、価格で比較されにくく、売れた価格を先に確かめられる商品なら成立する可能性があります。プラットフォーム全体の話ではなく、自分の商材で計算する話です。

eBayのデメリットは何ですか。

日本のセラーにとっての主なデメリットは4つです。手数料が買い手の支払い総額にかかること、国際送料が固定費として乗ること、商品都合の返品を断れず返送料もセラー負担になること、そしてセラー指標が悪化すると翌月の手数料に上乗せされることです。いずれも公式ページに料率と条件が書かれています。

eBayの月額費用はいくらですか。

出品するだけなら月額の固定費はかかりません。eBayの料金ページでは多くのカテゴリーで毎月250件までの出品が無料で、それを超えると1件0.35ドルです。出品数が増えたときにeBayストアを契約すると月額が発生します。手数料の全体像は手数料の記事にまとめています。

eBayは安全ですか。

取引の仕組みとしては、買い手はeBayマネーバックギャランティーで保護されています。セラー側のリスクは詐欺よりも規定の運用で、返品対応の期限を逃すことやセラー指標の悪化が手数料とアカウントに直接影響します。またeBayを名乗る偽サイトについては、eBay自身が注意喚起を出しています。ログインは必ず公式サイトから行ってください。

eBayで全く売れないのはなぜですか。

出品しても売れない場合、確かめる順番は3つです。同じ商品が実際に売れているか、売れた価格はいくらか、そして送料込みの総額が相場を超えていないか。出品されている価格ではなく売れた価格を見るのが要点で、その調べ方はeBayリサーチの記事にまとめています。