eBayの関税は誰が払うのか:米国宛ての事前支払いと税率の調べ方
バイヤーから「配達のときに追加料金を請求された」と連絡が来る。あるいは、荷物が関税未納のまま返送されてくる。eBay輸出で関税が問題になるのは、だいたいこの2つの場面です。どちらも、関税を誰がいつ払うのかという一点から起きています。
この質問を検索すると、出てくるのは個人のブログ、X(旧Twitter)の投稿、海外の掲示板を機械翻訳したページ、そして「最新版」と題のついた関税ニュースです。ニュース系の記事は毎月書き直されるので、半年後には別の数字が載っています。
そこでこの記事は、税率を一切書きません。書くのは、変わりにくい仕組みの部分だけです。誰が払う義務を負うのか、DDPとDAPは何が違うのか、米国宛てとEU宛てで差出条件がどう変わったのか、そして自分の品目の税率を自分で調べる場所はどこか。出典は日本郵便、ジェトロ、国税庁、eBay自身の案内に限っています。
関税を払うのはバイヤーです。ただし「原則」はそのまま使えません
まず原則です。関税は、商品が国境を越えて輸入される側の国で課される税で、払うのは輸入する人、つまり通常は受取人です。eBayの出品者向けヘルプは「通常、買い手が国際取引に伴う関税、税金、通関手数料などの追加費用を負担します」と書き、セラーにはその旨を出品ページに明記するよう求めています。
ここで押さえておきたいのは、関税がeBayの手数料ではないという点です。eBayの落札手数料や国際手数料は、買い手が払う合計額にかかります。関税は相手国の税関が課すもので、eBayを通さず、eBayも徴収しません。eBay自身の案内も「関税、輸入手数料は、通常、決済後に配送業者が徴収します。eBay上で買い手に表示される価格には、これらの費用が含まれていない場合があります」という趣旨の説明をしています。手数料の内訳そのものはeBayの手数料の記事で扱っています。
つまり、買い手は商品代金と送料を払った後に、受け取りの段階でもう一度請求されます。この二度目の請求がセラーに跳ね返ってくるのが、冒頭の2つの場面です。
そして2025年以降、この「原則は買い手」が原則のままでは通らない国が出てきました。最大の輸出先である米国が、そのうちの1つです。
米国宛ては、2026年4月から関税の事前支払いが引受条件になりました
経緯を日本郵便の案内のまま追います。米国政府は2025年7月30日、国際郵便物で米国が輸入する消費用物品の免税措置(デミニミス)を同年8月29日から停止し、書類や100USドル以下の個人間の贈答品以外には関税を課す大統領令を発表しました。これを受けて日本郵便は、2025年8月27日から、内容品価格が100USドルを超える個人間の贈答品や販売品を含む米国宛ての郵便物の引受けを一時停止しました。
その後、米国税関・国境警備局(CBP)が、米国宛てに国際郵便物を送る場合は郵便物が米国に到着する前に、CBPが認証した「認証事業者(Qualified Party)」を通じて関税などを支払わなければならない、というルールを発表しました。これを満たす形で、日本郵便は2026年4月14日以降、差出人自身が認定事業者のアプリで事前に米国税関へ関税などを支払うことを条件に、指定郵便局で米国宛てのすべての郵便物を引き受けています。
差出条件は内容品価格で分かれます。2026年7月24日以降の条件です。
| 内容品価格 | 内容品種別 | 関税の事前支払いとラベル |
|---|---|---|
| 100USドル以下 | 書状、はがき、印刷物、EMS(書類)、個人間の贈答品 | 不要 |
| 100USドル以下 | 上記以外(販売品) | 必要。ラベルにDDPを表示 |
| 100USドル超から2,500USドル以下 | 全種別 | 必要。ラベルにDDPを表示 |
| 2,500USドル超 | 全種別 | 不要 |
引受局は、1行目のみ全局(国際郵便を取り扱わない簡易郵便局は除く)で、残りはいずれも指定郵便局です。指定局の一覧は日本郵便が地域別に公開しており、順次拡大される予定とされています。近所の郵便局に持ち込めば受け付けてもらえるとは限らないので、発送の前に確認してください。
この表の読み方で、3点だけ補足します。
1行目と2行目の違いは金額ではなく中身です。どちらも100USドル以下ですが、個人間の贈答品は免税のままで事前支払いが不要、販売品は事前支払いが必要です。eBayで売った荷物は販売品なので、たとえ20USドルのものでも2行目に入ります。
4行目で事前支払いが「不要」に戻る理由は、日本郵便の案内には書かれていません。書かれていないことを推測で埋めるのは危険なので、ここでは条件をそのまま読みます。事前支払いが不要であることは、関税がかからないという意味ではありません。 2,500USドルを超える荷物を送る予定があるなら、関税の扱いを発送前に日本郵便と配送業者に確認してください。
そして、内容品価格が20万円(約1,250USドル)を超える場合は、上記とは別に日本税関への輸出申告が必要になります。米国側の手続きとは別の話なので、2つとも必要です。
事前支払いに使える事業者は、日本郵便が推奨する認定事業者として現在Zonos社のみが案内されています。利用にはZonos社が定める手数料がかかり、郵便局のタブレットでは使えないため自分のスマートフォンなどで操作します。注意が要るのはラベルの作り方です。申告番号(Declaration ID)と郵便物番号を紐づけて米国税関へ申告する仕組みなので、国際郵便マイページサービスで別のラベルを作ると番号が連携されず、申告が成立しません。ラベルは必ず事前支払いに使ったアプリで作成してください。なお日本郵便は、この事前支払いの手続き自体は差出人とZonos社の取引であり、同社の責任範囲は国際郵便約款に基づく業務に限られる、としています。
実務としての結論はひとつです。米国宛ての販売品では、関税を買い手負担にするかどうかを選べる場面がほとんどありません。 100USドル超から2,500USドル以下という、eBay輸出の大半が収まる帯で、事前支払いとDDP表示が引受条件になっています。「DDPとDAP、どちらを選ぶべきか」という議論は、この帯についてはすでに答えが決まっています。
国際郵便の代替として、国際宅配便のUGX(ゆうグローバルエクスプレス)も案内されています。UGXは関税元払いに対応した法人向け(個人事業主を含む)のサービスで、利用には申込みが必要です。発送方法ごとの料金と日数の比較はeBayの送料の記事にあります。
DDUという条件は、インコタームズには存在しません
eBayの案内は「DDP」と「DDU」という2つの言葉を使います。DDPは関税を含めた価格で売る条件、DDUは関税を買い手が負担する条件、という説明です。意味は通じますが、貿易条件の正式な名称としては正確ではありません。
貿易条件の国際ルールはインコタームズで、国際商業会議所(ICC)が定めています。現在有効なのは2020年1月1日発効のインコタームズ2020で、ジェトロの解説によれば規則は次の11個です。EXW、FCA、CPT、CIP、DAP、DPU、DDP(以上、あらゆる運送手段に適した規則)、FAS、FOB、CFR、CIF(海上および内陸水路運送のための規則)。
この11個にDDUは入っていません。ジェトロの解説によれば、インコタームズ2010の改訂で2000年版のDグループにあった4条件が廃止され、代わりにDATとDAPが新設され、さらにインコタームズ2020でDATが廃止されてDPUになりました。つまりDDUは、現行の規則表に存在しない呼び方です。いま「関税を受取人が払って届ける」条件に当たる規則はDAP(仕向地持込渡し)で、DDPは「関税込持込渡し」として現役です。
実務でこの区別が効く場面は具体的です。日本郵便の案内は、EU宛てについて「DDP/DAP」と書きます。フォワーダーや配送業者と条件を詰めるときも、契約書に載るのはDAPです。eBayのヘルプでDDUという言葉を覚えたまま相手の見積書を読むと、同じものを指す別の単語が並んでいることになります。覚えるのは、差出人が先に払うならDDP、受取人が払うならDAP、この2語で足ります。
なお、インコタームズが定めるのはリスクの移転時点と費用の負担区分、通関手続きの責任範囲などで、代金の支払方法や所有権の移転時点までは定めていません。「DDPにしたから自分のものではなくなった」といった話にはなりません。
EU宛ては、2026年7月から150ユーロ未満の免税が消えました
米国と並んで条件が変わったのがEUです。欧州議会とEU理事会は、2026年7月1日からEU域内に輸入される内容品合計額が150ユーロ未満の免税措置を撤廃することを決めました。日本郵便が2026年10月1日時点で公開している内容は次のとおりです。
| 内容品合計額 | BtoC(ネット通販) | CtoC(贈答品) | BtoB等 |
|---|---|---|---|
| 45ユーロ未満 | 内容品ごとに3ユーロ | 免税 | EU共通税率 |
| 45ユーロ以上150ユーロ未満 | 内容品ごとに3ユーロ | EU共通税率 | EU共通税率 |
| 150ユーロ以上 | EU共通税率 | EU共通税率 | EU共通税率 |
この表で読み間違えやすいのは1行目と2行目の境目です。 BtoCは「差出人が販売する者である場合」を指し、日本郵便の注記は個人・法人を問わないと明記しています。eBayで商品を売って送るなら、個人のアカウントでも、副業でも、1件目の取引でも、BtoCです。2行目のCtoCは個人間の贈答品の行であって、個人が売った荷物の行ではありません。「自分は個人だから45ユーロ未満は免税」と読むと、計算が合わなくなります。
もう1点、3ユーロが何に対してかかるのかです。郵便物についての2026年10月1日の案内は「内容品ごとに3ユーロの関税が課されます(HSコードごとではありません)」と明記しています。1つの荷物に3種類の商品を入れれば3つ分です。小物をまとめて1箱で送る売り方をしている場合、ここが手取りに直接響きます。
ただし、ここは日本郵便の2つの案内が食い違っている箇所なので、そのまま書いておきます。国際宅配便UGXについての2026年8月3日の案内は、同じ3ユーロを「輸入申告書のHSコードごとに」課されると説明しています。同じ色違いのTシャツを5枚送るとき、内容品ごとなら5つ分、HSコードごとなら1つ分で、金額がまったく変わります。どちらが自分に当てはまるかは使う発送サービスで変わるため、郵便で送るのか宅配便で送るのかを決めたうえで、その案内を直接確認してください。この記事の側で、どちらかが正しいと決めることはしません。
対象はEU加盟国に加えてモナコや仏領ギアナ、レユニオンなどを含む32の国と地域です。さらに、IOSS制度(150ユーロ未満の商品をEUの消費者に売る事業者向けのVAT申告制度)を使うかどうかで、国ごとに使える支払方法が変わります。DDPのみの国、DDPとDAPのどちらも使える国、DAPのみの国があり、IOSSを利用した郵便物をそもそも差し出せない国と地域もあります。アイルランドやギリシャはDAPのみ、イタリアやオランダは両方、ドイツやオーストリアはIOSS利用時には郵便で差し出せません。送る国が決まった時点で、日本郵便の国別一覧を引いてください。
税率を書かない理由と、どこで調べるか
ここまで、制度の話はしても税率の数字は1つも書いていません。意図的です。
米国の制度が2025年7月からどう動いたかを並べると、理由が見えます。2025年7月30日にデミニミス停止が発表され、同8月29日に発効。日本郵便は8月27日に米国宛ての引受けを一時停止。その後CBPが認証事業者経由の事前支払いルールを出し、2026年4月14日に引受けが再開。一方でジェトロの解説によれば、連邦最高裁が2026年2月20日にIEEPAを根拠とする関税を無効と判断し、同月24日にIEEPA関税の適用が停止され、代わりに通商法122条に基づく関税が同日から適用されています。
7か月のあいだに、根拠になる法律ごと3回変わっています。 この状況で「現在の税率は何%です」と書いたページは、書いた翌月には読者を誤らせる道具になります。半年前の率を信じて価格を決めれば、その差額はセラーが負担します。だから書きません。
代わりに、調べ方を置きます。使うのはジェトロが提供しているWorldTariffです。FedEx Trade Networks社の有料データベースですが、ジェトロと同社の契約により、日本の居住者であれば誰でも無料で利用できます。収録は世界178の国と地域で、MFN税率(WTO協定税率)のほかGSP(特恵税率)も入っており、輸入時にかかる付加価値税や売上税などの諸税も調べられます。
手順は、WorldTariffのサイトでユーザー登録を済ませ、「HS Number Search」から輸出先の国と自分の商品のHSコードを指定するだけです。データベースは英語ですが、ジェトロが日本語の操作マニュアルを公開しています。
ひとつ、ジェトロ自身が付けている注意を引き継いでおきます。WorldTariffのデータは随時更新されているものの、更新日時までは確認できないため、各国・地域の公式情報を併せて確認するように、とされています。米国については、ジェトロが「米国関税措置への対応」という特集ページを運営し、ビジネス短信で随時更新しています。相手国の税関が一次情報で、ジェトロが日本語の窓口、という使い分けになります。
関税が手取りをどう削るかという計算そのものは、eBay輸出で儲からない理由の記事で扱っています。関税は、仕入れ値、eBayの手数料、国際送料と並ぶ4つ目のコストです。
払った関税は戻るのか
「支払った関税の返還」は、この話題でよく出る質問です。制度としては存在します。ただし、日本のセラーが自分で受け取れる場面はほとんどありません。
ジェトロの解説によれば、米国では連邦最高裁の判断を受けてIEEPA関税の還付が命じられ、CBPは還付申請用の「統合通関管理・処理システム(CAPE)」を2026年4月20日に稼働させました。申請はCBPの電子通関システム(ACE)のポータル内で行い、還付金を受け取るための米国銀行口座の登録が必須です。
ここが肝心な部分です。ジェトロは「申請は在米の輸入者または通関業者のみが行えるため、在日本企業が還付の申請を行う際には、在米の取引先へ相談する必要があります」と明記しています。還付を申請できるのは在米の記録輸入者(IOR)か、その代理で輸入概要書を提出した通関業者だけです。通常のeBay輸出で記録輸入者になるのは買い手ですから、セラーの側に申請権はありません。ジェトロはさらに、記録輸入者に関税が還付されても、そのサプライヤーや消費者に還元されるかどうかはわからないと指摘しています。
対象になる関税の種類も限られます。還付の対象はIEEPAを根拠に徴収された関税で、通商拡大法232条に基づく自動車や鉄鋼・アルミ製品への関税、通商法122条に基づく関税は対象外です。また申請できる輸入申告の範囲は段階的に拡大されており、どの段階にあるかはCBPの発表によります。
ひとつ、例外というより別ルートがあります。米国宛てをUGXで送っていた場合です。 日本郵便は2026年9月2日の案内で、米国宛てUGXの通関業務はすべてフェデックス エクスプレスに委託しており、IEEPA関税のCBPへの還付申請も同社が進めていると説明しています。CBPからの還付を受けた後、同社が個別の金額の確認と照合を行い、確認が完了した対象貨物から順次、日本郵便が利用者への返金手続きを進める予定とされています。開始時期は、この案内の時点では未定です。
そしてこの場合、重要な注意があります。日本郵便は「IEEPA関税還付(CAPE)の申請は、お客さまご自身では行わないようお願いいたします」と明記しています。自分で申請するとフェデックス側の申請と重複し、確認作業と返金手続きに支障が出るおそれがあるためです。心当たりがあっても、先に自分で動かないでください。
実務的な答えをまとめると、こうなります。DAPで送って買い手が関税を払った荷物について、セラーが還付を請求する筋はありません。郵便で送って自分が事前支払いをした分についても、CAPEに申請できるのは米国側の記録輸入者か通関業者で、日本のセラーが直接申請する窓口はありません。UGXで送っていた分は、配送業者と日本郵便の側で手続きが進んでいるので待ちます。いずれの場合も、還付の対象になる関税の有無や範囲は米国法令に基づくCBPの判断であり、日本側の事業者が事前に確定的な案内をすることはできないとされています。該当しそうな取引があるなら、使った発送サービスの案内と、CBPの特設ページおよびジェトロの相談窓口に当たるのが現実的な進め方です。
日本側の話:輸出売上に消費税はかかりません
相手国の関税とは別に、日本側で知っておくと手取りが変わる制度があります。輸出免税です。
国税庁の案内では、事業者が国内で商品を販売する場合は原則として消費税がかかりますが、販売が輸出取引に当たる場合は消費税が免除されます。内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しない、という考え方です。海外の買い手に売るeBayの売上は、ここに当たります。
重要なのはその先です。輸出取引であっても、仕入れに含まれる消費税および地方消費税の額は、申告の際に仕入税額控除の対象になります。対象は商品の仕入れ代金だけでなく、その輸出取引を行うために必要な事務用品の購入や広告宣伝費などの経費も含まれます。つまり売上は免税で、仕入れにかかった消費税は控除できるという関係になります。
適用には証明が必要です。国税庁は、取引が輸出取引である証明として、区分に応じた書類を納税地などに7年間保存するよう求めています。郵便で輸出する場合の区分は次のとおりです。
| 郵便で輸出する場合の区分 | 保存すべき証明書類 |
|---|---|
| 資産価額が20万円超 | 輸出許可書(税関長が証明した書類) |
| 20万円以下で、小包郵便物またはEMS郵便物 | 日本郵便から交付を受けた引受けを証する書類、および発送伝票等の控え(差出人、品名ごとの数量と価額、受取人、引受けの年月日が記載されたもの) |
| 20万円以下で、通常郵便物 | 日本郵便から交付を受けた引受けを証する書類(品名ごとの数量と価額を追記したもの) |
この20万円という金額は、原則として郵便物1個あたりの価額(FOB価格、実際の決済金額)で判定します。同じ受取人に2個以上に分けて差し出す場合は、それらを合計した額で判定されます。分けて送れば20万円以下になる、という扱いにはなりません。
実務として覚えておくことは単純です。発送のたびに引受けの控えを捨てないこと。20万円を超える荷物は輸出許可書が必要になるので、税関への輸出申告とセットで扱うこと。個々の判断は税務署か税理士に確認してください。
仕入れの側、つまり海外から日本に商品を入れるときの関税と課税価格の出し方は、中国仕入れの手順の記事で扱っています。輸出と輸入では、払う人も計算の仕方も別の話になります。
商品ページに書くこと、絶対に書かないこと
最後に、出品前に決めておく2つのことです。
書くこと。 関税は買い手負担であることを商品説明に明記します。eBay自身がセラーにそう求めています。受け取り時に想定外の請求を受けた買い手は、評価や返品という形で返してきます。先に書いておくことが、唯一の予防策です。eBay輸出全体の考え方はeBay輸出とは何かの記事に、返品と評価の実際の扱いはeBayの返品と評価の記事にあります。
絶対に書かないこと。 申告価額を実際より低く書くこと、販売品を「贈り物(gift)」と記載すること。eBayは「関税を回避するために税関申告書を偽ったり、商品を『贈り物』と記載することは違法です。買い手から関税の不正を依頼された場合は、eBayに報告してください」と明記しています。買い手から頼まれても応じてはいけません。
加えて、現在の仕組みではそもそも隠せません。米国宛てで事前支払いを行うと、申告番号と郵便物番号が紐づけられて税関へ申告されます。申告した内容と中身が違えば、止まるのは荷物で、失うのは商品と送料と評価です。関税を数千円節約する代わりに差し出すものが、明らかに大きすぎます。
まとめ
eBay輸出の関税は、原則として届け先の国で買い手が払います。eBayの案内もそうなっており、出品ページにその旨を書くことがセラーの仕事です。
ただし原則だけでは足りません。米国宛ての郵便物は、2026年4月14日以降、販売品であれば関税の事前支払いを済ませ、ラベルにDDPを表示して指定郵便局に差し出す条件になっています。内容品価格100USドル超から2,500USドル以下という、eBay輸出の大半が入る帯が対象です。EU宛ては2026年7月1日から150ユーロ未満の免税が撤廃され、販売者が送る荷物は個人でもBtoCとして3ユーロが課されます。その3ユーロが内容品ごとなのかHSコードごとなのかは、郵便物向けとUGX向けで日本郵便の案内が食い違っているので、使うサービスの側で確かめてください。20万円を超える荷物には日本税関への輸出申告が必要です。
税率そのものは、このページでは調べられません。それは制度が速く動くからで、代わりにジェトロのWorldTariffで自分の品目と輸出先の率を引く手順を置きました。日本の居住者なら無料で、178の国と地域が収録されています。発送の前に、相手国の公式情報と合わせて確認してください。
そして日本側では、海外の買い手への販売は輸出免税の対象で、仕入れにかかった消費税は控除の対象に残ります。引受けの控えを7年間保存することが、その条件です。
よくある質問
eBayの関税はいくらですか。
一律の率はなく、この記事でも金額を書きません。関税は届け先の国が、品目のHSコードごとに決めた税率で課すものだからです。加えて米国の制度は2025年7月から2026年2月までに3回変わっており、記事に書いた率はすぐ古くなります。自分の品目の率は、ジェトロが日本の居住者に無料で提供しているWorldTariffで、輸出先とHSコードを指定して調べてください。世界178の国と地域が収録され、MFN税率と特恵税率のほか、輸入時にかかる付加価値税などの諸税も確認できます。ジェトロ自身が「各国・地域の公式情報を併せてご確認ください」と注意しているとおり、最後は相手国の税関の情報で確かめます。
eBayで関税はどちらが払うのですか。
原則は買い手です。eBayは「通常、買い手が国際取引に伴う関税、税金、通関手数料などの追加費用を負担します」と案内し、セラーにはその旨を出品ページに明記するよう求めています。例外は、差出人が先に払う条件で送る場合です。これをDDPと呼びます。そして米国宛ての郵便物では、2026年4月14日以降、内容品価格100USドル超から2,500USドル以下の荷物について関税の事前支払いが引受条件になっているため、買い手負担を選ぶことができません。この帯では、実務上DDPしか選べません。
eBayで関税を払った場合、還付される可能性はありますか。
制度としては存在しますが、日本のセラーが自分で申請できる場面はほとんどありません。米国では、連邦最高裁が2026年2月20日にIEEPAを根拠とする関税を無効と判断し、同月24日に適用が停止され、米国税関(CBP)が還付システム「CAPE」を2026年4月20日に稼働させました。ただしジェトロの解説によれば、申請できるのは在米の記録輸入者(IOR)または通関業者だけで、在日本の事業者が還付を受けようとする場合は在米の取引先に相談する必要があります。通常のeBay輸出では記録輸入者は買い手です。さらに通商拡大法232条や通商法122条に基づく関税は還付の対象外です。自分の荷物がどれに当たるかは、ジェトロの特集ページとCBPの特設ページで確認してください。
関税を安くするために、ラベルの金額を低く書いたり「贈り物」にしてもよいですか。
だめです。eBayは「関税を回避するために税関申告書を偽ったり、商品を『贈り物』と記載することは違法です。買い手から関税の不正を依頼された場合は、eBayに報告してください」と明記しています。実務面でも成り立ちません。米国宛ての郵便物では、関税の事前支払いに使う申告番号と郵便物番号が紐づけられて相手国の税関へ申告されるため、申告と中身が合わないことは隠せません。安く見せた分だけ、荷物が止まり、補償も受けられなくなります。
買い手が関税の支払いを拒んで、荷物が返送されてきました。どうすればよいですか。
返送された荷物の費用の扱いと再発送の手順は、使った発送サービスと相手国の規則で変わるため、ここで一律に答えることはできません。まず荷物の番号を持って、利用した配送サービスの窓口に確認してください。この記事で言えるのは防ぎ方のほうです。eBayはセラーに、関税は買い手負担であることを出品ページに明記するよう求めています。そのうえで、送る国の制度を発送前に調べ、買い手が受け取り時に何を請求されるのかを把握しておくことです。なお米国宛ての販売品のように、関税の事前支払いが差出しの条件になっている帯では、受け取り時の未納という形の失敗は起きません。返品リクエストや評価そのものの扱いは、eBayの返品と評価の記事で扱っています。
日本側で関税や消費税はかかりますか。
輸出する側には日本の関税はかかりません。関税は輸入する国が課す税です。日本側で関係するのは消費税で、国税庁は、販売が輸出取引に当たる場合には消費税が免除されると案内しています。内国消費税は外国で消費されるものには課税しないという考え方によるものです。免税の適用を受けるには、取引が輸出取引である証明書類を納税地などに7年間保存する必要があります。なお、内容品価格が20万円を超える郵便物を送る場合は、日本税関への輸出申告が別に必要になります。