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eBayリサーチのやり方:売れた実績から商品を選ぶ

eBayのリサーチでやっていることは、突き詰めると1つです。「この商品は、いくらで、どれくらいの頻度で売れているのか」を確かめる。 それだけです。

にもかかわらず多くの人が間違った数字を見ています。見ているのは出品価格です。検索して、並んでいる商品の値段を眺めて、相場を把握したつもりになる。これは相場ではありません。

出品価格は「希望」であって「実績」ではない

検索結果に並んでいる価格は、売り手がつけたい値段です。その値段で買った人がいた証拠にはなりません。

3か月売れ残っている商品にも価格はついています。10人が同じ商品を1万円で出していて、1つも売れていない、という状況は普通にあります。このとき「相場は1万円」と読むのは完全な誤りで、正しい読み方は「1万円では売れていない」です。

リサーチの第一歩は、見る数字を出品価格から落札価格に切り替えることです。 これだけで判断の質が変わります。

価格だけでなく「頻度」を見る

落札価格を見はじめると、次につまずくのが頻度です。

ある商品が3万円で売れた記録を見つけたとします。良さそうに見えます。しかしそれが半年で1件なら、仕入れても半年寝かせることになります。逆に2,000円でも月に50件動いている商品のほうが、資金の回転という意味では優秀です。

見るべきは次の2つの組み合わせです。

  • 売れた価格:いくらで取引が成立したか
  • 売れた件数と期間:その価格帯で、どれくらいの頻度で動いているか

この2つが揃って初めて「需要がある」と言えます。片方だけでは、高く売れる幻か、安く大量に売れる薄利かのどちらかを見誤ります。

Sell-Through Rateという1つの指標

この2つの関係を1つの数字にまとめたのがSell-Through Rate(出品に対して実際に売れた割合)です。

考え方は単純で、出ている数に対してどれだけ売れたかを見ます。出品が100件あって売れたのが80件なら、需要が供給を上回っている状態です。出品が100件で売れたのが5件なら、その逆です。

注意点が1つあります。一律の基準値はありません。 カテゴリーによって平常値が違うからです。回転の速いカテゴリーと、そもそも取引の少ないカテゴリーを同じ数字で比べても意味がありません。比べるなら同じカテゴリーの中で比べてください。

日本から調べる場合、見るのは「売り先」の市場

ここが日本のセラーにとって固有の注意点です。

eBayには日本国内向けのマーケットプレイスがありません。したがって「日本のeBayで何が売れているか」というデータは、どこを探しても存在しません。データが非公開なのではなく、集計の対象になる市場自体がないということです。

日本のセラーが調べるべきなのは、売り先の市場です。アメリカの買い手に売るなら、アメリカで何がいくらで売れているかを見ます。日本国内の相場やメルカリの取引価格は、仕入れ側の判断材料にはなっても、売り先の需要を示すものではありません。

この区別を曖昧にしたまま「日本で人気だから売れるはず」と考えるのが、輸出で最初につまずくところです。

無料でできる範囲と、その限界

リサーチ自体は、費用をかけずに始められます。eBayの検索結果で売却済みの商品に絞り込めば、実際に売れた価格が見られます。まずはこれで十分です。

限界は件数です。1つの商品を調べるなら手作業で足ります。20個の候補を比べ、それぞれの売れた件数を数え、カテゴリー平均と照らし合わせる段階になると、手作業は現実的でなくなります。時間がかかりすぎて、調べる前に決めてしまうようになるからです。

eBay自身もリサーチ機能を提供しています。外部のツールは、対象範囲と絞り込みの細かさ、そして複数商品をまとめて比較できるかどうかで違いが出ます。

ZIK Analyticsの商品リサーチ画面:検索語に対して、実際に売れた件数、Sell-Through Rate、平均販売価格、売上の推移が一覧で並ぶ。表示は英語のアプリ画面で、数字はeBay米国マーケットプレイスのもの。日本から輸出するセラーにとっては、この米国市場が実際の売り先になる

ZIK Analyticsが扱っているのも、この「実際に売れた」側のデータです。なお現時点でアプリの表示は英語のみで、日本語表示には対応していません。

ツールを入れるべき境目は、調べる件数が手に負えなくなったときです。 最初の数商品を無料で調べて、リサーチの型が身についてから考えても遅くありません。どの種類の道具がどの詰まりを解くのか、月額を回収できるかの考え方はせどりツールの選び方で整理しています。

リサーチの順番

実務としては、次の順番が最も手戻りが少なくなります。

  1. 候補の商品について、売却済みに絞って落札価格を見る
  2. その価格帯で、どれくらいの期間に何件売れているかを確認する
  3. 同じカテゴリーの他商品と比べて、出品数に対する売れ方が極端でないか見る
  4. 仕入れ値と送料と手数料を引いて手取りを計算する
  5. 手取りが残らなければ、その商品は捨てて次を見る

4で落ちる商品はかなりあります。これを先にやるかどうかが、在庫を抱えるかどうかの分かれ目です。

まとめ

リサーチで見る数字は2つだけです。実際に売れた価格と、売れた頻度。この2つが揃わない商品は、どれだけ魅力的に見えても判断材料が足りていません。

そして日本から売るなら、見るのは売り先の市場です。ここを取り違えると、調べれば調べるほど間違った結論に近づきます。

よくある質問

無料でeBayのリサーチはできますか。

できます。eBayの検索結果で売却済みの商品に絞り込めば、実際に売れた価格を無料で確認できます。ただし件数や期間の集計は手作業になるため、調べる商品数が増えるほど時間がかかります。

Sell-Through Rateはどれくらいあればよいですか。

一律の基準はありません。カテゴリーによって平常値が違うためです。同じカテゴリーの他の商品と比べて判断してください。比較の対象を揃えないと数字だけでは意味を持ちません。

出品されている件数が多い商品は避けるべきですか。

件数だけでは判断できません。出品が多くても売れている数がそれ以上に多ければ需要は十分にあります。逆に出品が少なくても売れていなければ、単に需要がないだけです。必ず売れた数と一緒に見てください。

Terapeakとは何ですか。

eBayが提供しているリサーチ機能で、売れた商品のデータを検索できます。eBayのアカウントから使えます。外部のリサーチツールとは対象範囲や絞り込みの細かさが異なります。

日本のeBayのデータは調べられますか。

そもそも存在しません。eBayは日本国内向けのマーケットプレイスを運営していないため、集計の対象になる市場がありません。日本のセラーが見るべきなのは販売先である米国などの市場のデータです。