eBay出品のやり方:日本から海外に売るまでの手順
eBayへの出品は、操作そのものは難しくありません。つまずくのは操作ではなく、順番です。先にアカウントを作り、手元にあるものを出品し、売れてから送料を調べて赤字に気づく。この順番で始めた人が一番多く、そして一番損をします。
この記事では、日本から出品する場合の手順を、実際に決めるべきことの順番どおりに並べます。前提として押さえておきたいのは、eBayには日本国内向けのマーケットプレイスがないということです。つまり出品はすべて海外の買い手に向けたものになり、国内のフリマアプリとは手数料の構造も、書くべき言語も、送料の桁も変わります。
始める前に決めておく2つのこと
手を動かす前に、次の2つを決めてください。あとから変えると全部やり直しになります。
1つめは、何を売るか。 家にある不要品を試しに出す、というのは練習としては悪くありませんが、続けるつもりなら最初から「海外で売れている実績がある商品」を選んだほうが早く進みます。
2つめは、それをいくらで送れるか。 国際送料は商品の価格ではなく、重さと大きさで決まります。国内なら数百円で送れるものが海外向けでは数千円になることは普通にあります。売価が3,000円の商品に2,500円の送料がかかれば、手数料を引く前から利益は残りません。
この2つが決まっていれば、以降の作業は事務手続きです。
手順1: eBayアカウントを作り、販売できる状態にする
eBayのアカウントを作成し、販売者として登録します。ここで必要になるのは本人確認と、売上を受け取るための口座情報です。
新規アカウントには出品数と販売金額の上限が設定されます。これは制限というより、実績のない出品者から買い手を守るための仕組みです。上限は販売実績と評価に応じて見直されるため、最初から大量に出品しようとするより、少数を確実に発送して評価を積むほうが結果的に早く増やせます。
この段階でやっておくと後が楽になるのが、発送元の住所と、発送にかかる日数の設定です。海外の買い手は「いつ届くか」を見て買うかどうかを決めます。日本から送る以上、現地のセラーより日数がかかるのは当然なので、短く見せようとせず、実際にかかる日数を正直に設定してください。遅れて評価を落とすほうが損です。
手順2: 売れている商品を確かめてから選ぶ
ここが、この記事で一番重要な手順です。
商品を選ぶとき、多くの人は「いま出品されている価格」を見ます。これは判断材料になりません。出品価格は売り手がつけた希望価格であって、その値段で売れた証拠ではないからです。3か月売れ残っている商品にも価格はついています。
見るべきなのは次の2つです。
- 実際に売れた価格:いくらで取引が成立したか
- 売れた頻度:月にどれくらい動いているか
この2つが揃って初めて、その商品に需要があると言えます。高く売れた記録が1件あっても、それが年に1回なら商売にはなりません。
そして日本から出品する場合、確かめるべきは売り先の市場です。アメリカの買い手に売るなら、アメリカで何がいくらで売れているかを見ます。日本国内の相場ではありません。
ZIK Analyticsのようなリサーチツールが扱っているのは、この「実際に売れた」側のデータです。なお現時点でアプリの表示は英語のみで、日本語表示には対応していません。
どうしてもツールを使わずに始めたい場合は、eBayの検索結果で売却済みの商品に絞り込む方法があります。件数は手で数えることになりますが、出品価格ではなく落札価格を見るという原則は同じです。
手順3: 買い手の言葉で出品ページを作る
商品が決まったら出品ページを作ります。ここで日本のセラーが最もつまずくのがタイトルです。
タイトルは、買い手が検索に打ち込む言語と語で書きます。 日本語の商品名を翻訳した言葉ではありません。この2つは同じではないことがよくあります。日本語で一般的な呼び方と、英語圏で検索される呼び方が違う商品は珍しくないからです。
タイトルに入れるべきものは、おおむね次の要素です。
- ブランド名(あれば)
- 商品名・型番
- 状態を表す語(新品か中古か)
- 買い手が絞り込みに使う属性(サイズ、色、対応機種など)
説明文には、状態を具体的に書いてください。中古品なら傷や使用感を隠さず、写真と文章の両方で示します。海外への発送は返品のやり取りに時間とお金がかかるため、説明と実物が違うことによる返品を防ぐのが、そのまま利益を守ることになります。
写真は、明るい場所で、複数の角度から撮ります。傷があるならその部分も撮ってください。隠して売るより、写っているほうが結果的にトラブルが減ります。
手順4: 発送方法を決め、送料を出品前に確定させる
出品ページの中で送料を設定します。この作業は「あとで調べる」ができません。送料が決まらないと価格が決められないからです。
日本から海外に送る主な手段は、日本郵便の国際郵便と、民間の国際宅配便です。選ぶ基準は価格だけではなく、追跡と補償の有無です。
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 追跡 | 配送状況を番号で追えるか。追跡なしは安いが、届かない申し立てがあったとき証明できない |
| 補償 | 破損・紛失時に補償があるか、上限はいくらか |
| 日数の目安 | 航空便か船便か。買い手は到着予定日を見て購入を決める |
| 重量とサイズの上限 | サービスごとに上限がある。超えると別の手段になり価格が変わる |
| 送れないもの | 内容物によっては送れない、または国ごとに制限がある |
料金そのものはここに書きません。 重量と地域で変わり、改定もされるためです。実際の数字は日本郵便の料金表で、自分が送る重さと相手国で確認してください。高額品であれば、追跡と補償のある方法を選ぶ前提で価格を組み立てます。
送料を買い手負担にするか、価格に含めるかは選べます。どちらにしても手取りの計算は同じです。送料込みの価格のほうが買い手には比較しやすく、選ばれやすい傾向がありますが、重い商品ほど価格が高く見える点は理解したうえで決めてください。
手順5: 手数料を引いた手取りで価格を決める
最後に価格です。ここで見るべきなのは売価ではなく、手元に残る金額です。
販売価格から引かれるものは、おおむね次の4つです。
- eBayの販売手数料(カテゴリーによって料率が異なります)
- 決済にかかる手数料
- 国際送料
- 為替の影響と、円に替えるときのコスト
このうち為替は自分で決められません。だからこそ、為替が多少動いても赤字にならない余裕を価格に持たせておく必要があります。ぎりぎりの利益で組んだ価格は、円高に振れた瞬間に利益がなくなります。
価格を決めたら、手順2で調べた「実際に売れた価格」と比べてください。自分の価格がそれより大きく高ければ売れませんし、大きく安ければ利益が残りません。相場の中に収まり、かつ手取りが残る価格が成立しないなら、その商品は選び直したほうが早いです。
最初の1件が売れたあとにやること
売れた通知が来たら、やることは3つです。
入金を確認してから発送します。 順番を逆にしないでください。
追跡番号を登録します。 発送したら、その番号をeBayの取引画面に必ず入力します。買い手は番号で状況を確認できるようになり、「届かない」という問い合わせがそもそも減ります。登録を忘れると、発送済みであることを自分で証明できなくなります。
発送後に一度だけ連絡します。 発送した旨と到着のおおよその時期を伝えるだけで、評価の付き方が変わります。海外発送は買い手にとって待ち時間が長いので、黙って待たせないことが評価につながります。
よくあるつまずき
売れてから送料を調べる。 最も多く、最も痛い失敗です。手順4を出品前に済ませてください。
日本語を直訳したタイトルをつける。 検索されない語で書かれた商品は、存在しないのと同じです。
評価がない状態で高額品から始める。 買い手は評価を見ます。少額のものから確実に発送して評価を積むほうが、結果的に高額品を売れる状態に早く到達します。
到着日数を短く見せる。 到着予定を過ぎると評価に響きます。日本から送る以上かかるものはかかるので、正直に設定してください。
まとめ
eBay出品でつまずく原因のほとんどは、操作ではなく順番です。何を売るかと、いくらで送れるかを先に決める。 そのうえでアカウントを整え、買い手の言葉でページを作り、手数料を引いた手取りで価格を決める。
この順番で進めれば、少なくとも「売れたのに赤字だった」という最初の失敗は避けられます。そして商品選びの段階で実際に売れた価格と頻度を確かめておくことが、その後の全部を楽にします。
よくある質問
eBayへの出品に費用はかかりますか。
出品時の手数料と、売れたときの販売手数料がかかります。料率はカテゴリーと出品数によって変わるため、eBayの手数料ページで自分のカテゴリーを確認してください。加えて決済手数料と国際送料がかかります。
英語ができなくても出品できますか。
出品作業自体はできますが、商品タイトルと説明文は買い手が読む言語で書く必要があります。買い手が検索する語で書かれていない商品は見つけてもらえません。購入後の問い合わせ対応にも英語は必要になります。
最初は何個くらい出品すればよいですか。
新規アカウントには出品数と金額の上限が設定されます。上限は販売実績と評価に応じて見直されるため、最初は少数を確実に発送し、評価を積むほうが結果的に早く増やせます。
売れなかった場合はどうなりますか。
出品形式と設定によります。期限が来れば終了し、自動再出品を設定していれば再度掲載されます。売れない出品を放置するより、タイトルと価格を見直して出し直すほうが有効です。
発送はどの方法を選べばよいですか。
追跡と補償が必要かどうかで決まります。高額品なら追跡と補償のある方法を選んでください。料金は重量と地域で変わるため、日本郵便の料金表で実際の数字を確認してから価格を決めます。