eBayの返品と評価:3営業日のルールと、悪い評価の本当の影響
eBayでは、返品と評価はまったく別の仕組みです。 そして日本のセラーの多くは、このうち影響の小さいほうを心配します。eBayのフィードバックポリシーは、悪い評価や中立の評価を受け取ってもセラーパフォーマンスには影響しないと明記しています。一方、返品リクエストに対応しないまま期限を過ぎ、eBayが介入してバイヤー有利の判断になると、それはセラーレベルを下げるカウントとして記録されます。
この違いは、メルカリやヤフオク!から来たセラーほど見落とします。国内のマーケットプレイスでは、評価がそのまま信用の仕組みであり、買い手と売り手がお互いを評価します。eBayはそうなっていません。セラーがバイヤーに付けられる評価は positive だけで、悪い評価への対抗手段としての評価は存在しません。代わりにセラーを守るのは、期限内に自分で解決することと、ポリシーに基づく削除申請です。
この記事は、最初の1件が売れたあとに起きる2つのこと、つまり返品リクエストへの対応と評価の扱いを、eBayとeBay Japanの公式ページから整理します。ルールは改定されるので、実際に対応するときは必ず最新のページを確認してください。以下は2026年9月25日に確認した内容です。
返品と評価は、別々に効く
まず全体像を分けておきます。
評価(フィードバック)は、バイヤーが取引後に残す positive、neutral、negative の3段階の評価とコメントです。プロフィールに表示され、他のバイヤーから見えます。eBayのフィードバックポリシーによれば、これを受け取ってもセラーパフォーマンスの評価には影響しません。
セラーレベルは、eBayが毎月の取引をもとに Below Standard、Above Standard、Top Rated のいずれかに分類する仕組みです。eBayのセラーパフォーマンスのページが挙げている判定要素は3つで、セラーが解決できずに終わったケース(cases closed without seller resolution)、取引の不備率(transaction defect rate)、発送遅延率(late shipment rate)です。評価はこの3つに含まれていません。
そして返品リクエストは、放置するとこのセラーレベル側に響きます。eBay Japanの返品対応ページは、3営業日を過ぎて当事者間で解決できず、eBayが介入してバイヤー有利の判断になった場合、セラーレベルに悪影響が生じる Defect(ディフェクト)および未解決ケース(case without seller resolution)としてカウントされる、と書いています。
つまり優先順位はこうなります。悪い評価が1件ついたことより、返品リクエストを1件放置したことのほうが重い。 順番を逆にしないことが、この記事の一番大事な部分です。
返品リクエストが届いてからの3営業日
バイヤーが返品リクエストを開くと、セラーの対応期限は3営業日です。eBay Japanはこれをセラー対応期間(SMIR: Seller-Make-It-Right)と呼んでいます。この間に、返送用ラベルを提供するか、その時点で返金するか、いずれかの対応をします。
リクエストの場所は2つあります。Seller Hub の Orders から Returns を開くか、Seller Hub の Overview で Tasks の Respond to return requests から確認します。各リクエストの詳細は See details から開きます。
日本の祝日は営業日として数えられます
ここが、日本から出品しているセラーにとって最も実務的な注意点です。
eBay Japanのページは、ケース対応における営業日は取引が発生したサイトのカレンダーに準拠すると説明し、そのうえで「日本の祝日は営業日として扱われますのでご注意ください」と明記しています。米国サイトで売れた商品の返品リクエストは、米国のカレンダーで数えられます。
つまり、ゴールデンウィークも、お盆も、年末年始も、3営業日のカウントは止まりません。連休に入る前に届いたリクエストを連休明けに見るつもりでいると、その時点で期限を過ぎています。eBay Japanが携帯電話の通知設定を勧めているのは、このためです。
3営業日を過ぎても解決できなかった場合、バイヤーはeBayに介入を求められるようになります。eBayのヘルプページによれば、セラーが返品リクエストにまったく応答しなかった場合、eBayは商品の返送を求めずにバイヤーへ返金し、その金額をセラーに請求することがあります。
4つの対応方法
返品リクエストへの対応として選べるものは、eBayのヘルプページとeBay Japanのページで共通して次のとおりです。
| 対応 | 何が起きるか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 返品を受ける | Accept the return を選びます。商品を返送してもらい、受け取ってから全額返金します。商品都合の返品では返送料はセラー負担です。 | 標準的な対応。商品が手元に戻る価値がある場合 |
| 全額返金 | Give a full refund を選びます。商品は返送してもらわず、全額を返金します。 | 低価格帯で、返送料のほうが高くつく場合 |
| 一部返金 | Offer a partial refund を選びます。商品は返送してもらわず、金額の一部だけを返金します。 | 小さな傷などで、バイヤーが手元に残すことに納得している場合 |
| メッセージ | Send the buyer a message を選びます。バイヤーに直接連絡して理由や希望を確認します。 | 返品理由がはっきりしない場合 |
このほか、同じ商品の代替品(replacement)や似た別の商品(exchange)を提案する選択肢もあります。
一部返金には注意点が1つあります。 eBay Japanのページは、一部返金のオファーを出すとバイヤー側で Accept か Decline が選ばれること、そして送信後に金額を変更できないことを挙げ、必ず事前にeBay Messageでバイヤーと金額の合意を得たうえで行うよう書いています。オファーを出せるのは1回だけです。
なお、eBayの返送用ラベルが利用できる場合、eBayがセラーに代わって返品を自動的に受け付けることがあります。その場合、商品を受け取ってから対応を判断し返金するまでの時間は2営業日です。
返送料は誰が負担するのか
SERPで最も多く聞かれている質問がこれです。答えは返品の理由で決まり、セラーの返品ポリシーが決めるわけではありません。
eBayの返送料のページ(2026年9月25日閲覧)の整理は次のとおりです。
| 返品の理由 | 返送料の負担 | 返品を断れるか |
|---|---|---|
| 商品説明と違う、破損、不良、別の商品が届いた | セラー負担(返品不可の設定でも) | 断れない |
| バイヤー都合で、返品を受け付ける設定にしている | 返品ポリシー次第。送料無料の返品ならセラー負担、そうでなければバイヤー負担 | 断れない |
| バイヤー都合で、返品不可の設定にしている | 受け付ける場合はバイヤーに負担してもらえる | 断れる |
言い換えると、「返品不可にしておけば返送料を払わなくて済む」は成立しません。商品都合の返品では、返品不可の設定にしていてもセラーが返送料を負担します。eBayマネーバックギャランティーがそう定めているからです。
もう1つ、見落とされやすい点があります。eBayのページは、返送料を払った側が、荷物が届かなかったときに運送業者とやり取りする責任を負うと書いています。セラーが返送料を負担する場合、返送中に荷物が行方不明になったときに動くのはセラーです。だから追跡のあるサービスが推奨されます。なお、自分で用意した返送用ラベルを使う場合、総額750ドル以上の商品では署名確認(signature confirmation)が必要とされています。
日本から返送用ラベルをどう用意するか
ここが米国のセラーと最も違う部分です。米国内の返品なら、eBayの返送用ラベルを1クリックで送れます。日本からの取引では、荷物が逆向きに国境を越えます。
eBay Japanのページが日本のセラーに案内している手段は、eBayのラベルではなく次の2つです。FedEx、DHL、UPSなどとあらかじめ契約しておき、各社が提供する返送用サービスを利用する方法。もう1つは、クーリエと個人的な契約がない場合でも使えるサービス、たとえばeBay SpeedPAKです。ただしSpeedPAKの返送用ラベルは、SpeedPAKから発送した商品にのみ発行できるとされています。
送料の考え方そのもの、日本郵便のサービスと料金、関税を誰が払うのかは、eBayの送料の記事で扱っています。
返品期間はセラーが選ぶ
返品を受け付ける期間は、出品時の返品ポリシーで決まります。eBayのヘルプページが挙げている選択肢は5つです。
- 返品不可(No returns)
- 30日間、返送料はバイヤー負担
- 30日間、返送料はセラー負担(free returns)
- 60日間、返送料はバイヤー負担
- 60日間、返送料はセラー負担
カメラ用ドローン、カメラレンズ、コレクタブル・アート、デジタルカメラ、ジュエリー、医療・モビリティの6カテゴリーでは、14日間も選べます。
この設定は出品フォームで行い、よく使う条件は返品ポリシーとして保存しておけます。出品の流れそのものは、eBayの出品方法の記事で扱っています。
繰り返しになりますが、ここで選ぶ期間が効くのはバイヤー都合の返品だけです。商品都合の返品は、この設定の外側にあります。
返送された商品が使用済みだった場合
商品が戻ってきたとき、売ったときと違うコンディションになっていることがあります。eBay Japanのページは、この場合に部分返金ができるとし、目安の表を公開しています。
| 返品商品のコンディション | 部分返金の目安 |
|---|---|
| 非常に良い:未使用で破損や改変がなく、元のパッケージの内容物がすべて含まれている | 減額なし |
| 比較的良い:元のパッケージがない、封印は開けられているが商品は元のコンディションのまま | 5%から10%減額 |
| やや問題がある:パーツが不足、摩耗や使用の兆候が幾分見られる、元のタグがない | 15%から30%減額 |
| かなり問題がある:摩耗が激しい、重要なパーツが不足、破損や欠陥があり修理が必要 | 35%から50%減額 |
手順は、Returns ダッシュボードで商品の横の View return details を開き、減額率を選び、理由を説明するメッセージを添えて送ります。
この機能には明確な制限が2つあります。 eBay Japanのページは、売ったときと同じコンディションで返品された商品の損失の埋め合わせや、返送料・返品手数料の埋め合わせに部分返金を使ってはいけないと書いています。使えるのは、使用済みまたは破損した商品が返品された場合のみで、悪用した場合は機能の利用禁止やセラー保護の適用除外といった措置があり得ます。
もう1つ、eBayのヘルプページによれば、eBayが介入した時点で減額の権利は失われます。 条件を満たしていても、ケースがeBayの手に渡ったあとでは減額できません。これも、3営業日以内に自分で解決することの実利です。
返金の期限と、そのあとに起きること
返金に同意した場合、または返品商品を受け取った場合、返金の期限は2営業日以内です。Returns ダッシュボードで Refund buyer を選びます。2営業日以内に返金しないと、自動的に返金処理されることがあります。
返金したあとに起きることが3つあります。
- 返金はバイヤーの元の支払い方法に戻ります。通常は3営業日から5営業日ですが、支払い方法によっては最大30日かかります。
- 商品は自動的に再出品されます。 再出品したくない場合は、返金するときに Relist item のチェックを外します。
- eBayが介入することなく全額返金した場合、落札手数料が返金されることがあります。手数料の仕組みと実際に差し引かれる金額は、eBayの手数料の記事で計算しています。
評価(フィードバック)の仕組み
ここから後半です。まず、日本のマーケットプレイスとの一番大きな違いから。
セラーがバイヤーに付けられる評価は positive だけです。 eBayのヘルプページは、これは業界の標準に沿ったものであり、企業が顧客について公開のレビューを残す選択肢を通常は持たないためだと説明しています。negative も neutral も、セラーの選択肢にはありません。
メルカリやヤフオク!のように、お互いを評価し合って釣り合いを取る仕組みではない、ということです。在庫を持たない販売の記事で扱っている国内マーケットプレイスの感覚のまま来ると、ここで手段を失います。
関連するルールをまとめます。
- 評価を残せるのは、取引完了から90日以内です。
- positive を選びながらコメントに否定的なことを書くと、他のメンバーの混乱を招くとして削除されます。
- バイヤーがポリシーに違反したと考える場合は、評価ではなく report a buyer から報告します。
- セラーが残した評価は変更できませんが、フォローアップのコメントを1回だけ追加できます。編集も撤回もできません。
バイヤー側から見たプロフィールには、総合評価スコア、positive の割合、最近の評価とコメント、詳細なセラー評価(detailed seller ratings)、eBayへの登録日が表示されます。なお、eBayで販売するには評価を公開しておく必要があります。 非公開にすると出品できなくなります。
悪い評価がついたときにできる3つのこと
削除できる評価とできない評価があります。eBayのフィードバックポリシーは、バイヤーの意見や判断そのものをeBayが否定する立場にはない、と前置きしたうえで、削除の対象になる場合を列挙しています。同じページは、バイヤーは100%positiveの評価を期待しているわけではない、とも書いています。
1. 返信する。 eBayのポリシーページ自体が、negative や neutral の評価には返信することを推奨しています。丁寧に書かれた返信は、バイヤーの体験を大切にしている姿勢を示すからです。これは削除できない評価に対する、現実的な唯一の手当てです。
2. 改定を依頼する。 セラーは、バイヤーに評価の改定依頼(feedback revision request)を送れます。送れる回数には制限があります。バイヤーが応じれば、negative や neutral を positive に変えてもらえます。
3. 削除を申請する。 ポリシーに違反する評価は、Seller Help から削除を申請できます。eBayは自動的な仕組みでも削除しており、明確でないケースは申請に基づいて人が確認します。条件を満たす場合、24時間以内にアカウントから削除されます。Seller Help は、過去120日以内に出品または販売のあるすべてのセラーが利用できます。
日本から輸出しているセラーに実際に効く削除条件
列挙されている条件のうち、海外に発送するセラーに関係が深いものを挙げます。
- 配送の問題で、追跡情報が配送や発送準備の期日を満たしていたことを示している場合
- 自然災害や予期しない出来事による運送業者の遅延
- セラーの管理外にある関税や税金の問題が確認できる場合。ポリシーのページは、小さな自動車部品を海外のバイヤーに販売したセラーが「輸入関税が高すぎる」という評価を受けた例を挙げ、これは削除できるとしています
- 出品時に返品不可と明記していて、バイヤー都合の返品リクエストを断った場合
- バイヤーが心変わりし、eBayの返送用ラベルの費用を負担する立場だった場合
- 出品説明に正しく記載していた内容をバイヤーが問題として挙げている場合
- 注文後のキャンセル依頼、住所の問題によるキャンセル、未払いによるキャンセル
関税の項目は、日本から輸出しているセラーにとってそのまま自分の話です。買い手が輸入時に支払う金額への不満は、セラーが決められるものではありません。関税の扱いと商品ページへの書き方は、eBayの送料の記事で扱っています。
逆に、商品説明に書いていなかった欠点をバイヤーが指摘した評価は削除されません。ポリシーのページはこの場合、返信して返品を案内することを勧めています。
まとめ:順番を間違えない
最初の1件が売れたあとに向き合うことは、この2つです。
返品は時間との勝負です。 3営業日、日本の祝日を含めて数えます。期限内に自分で解決すれば、減額の権利も、手数料の返金も、セラーレベルも守れます。eBayの手に渡ると、そのすべてを失います。
評価は、思っているほどセラーレベルに効きません。 効くのは売上のほうです。だから、削除できるものは申請し、できないものには返信する。バイヤーへの対抗評価という手段は最初から存在しないので、そこを探すのはやめて、ポリシーの条件表を先に読むほうが早い、ということになります。
返品と返送料が利益にどう効くかは、結局のところ何を売るかで大きく変わります。海外への送料と手数料を引いても残る商品の選び方は、eBayの送料の記事とeBayの手数料の記事で扱っています。
よくある質問
eBayの返品期間は?
セラーが出品時に選んだ返品ポリシーで決まります。eBayのヘルプページ(2026年9月25日閲覧)が挙げている選択肢は、返品不可、30日間(返送料バイヤー負担)、30日間(返送料セラー負担)、60日間(返送料バイヤー負担)、60日間(返送料セラー負担)の5つです。カメラ用ドローン、カメラレンズ、コレクタブル・アート、デジタルカメラ、ジュエリー、医療・モビリティの6カテゴリーでは14日間も選べます。ただしこの期間が適用されるのはバイヤー都合の返品だけで、商品説明と違う、破損、不良といった商品都合の返品は、返品不可の設定にしていても受け付ける必要があります。
返品の送料は誰が負担するのですか?
返品の理由で決まります。商品が説明と違う、破損している、不良品だった場合は、セラー負担です。返品不可の設定にしていても変わりません。バイヤーが心変わりした、注文を間違えたといったバイヤー都合の場合は、セラーの返品ポリシーが決めます。送料無料の返品(free returns)を提供していればセラー負担、そうでなければバイヤーに負担してもらえます。なお、返送料を払った側が、荷物が届かなかったときに運送業者とやり取りする責任も負います。
eBayで返品を受け付けられない場合ってありますか?
返品を断れるのは1つの場合だけです。出品時に返品不可と設定していて、かつバイヤーが心変わりや注文間違いを理由に返品を求めている場合です。このときは Returns ダッシュボードの Decline the return から断れます。逆に、商品が説明と違う、破損して届いた、別の商品が届いたという理由の場合は、eBayマネーバックギャランティーの対象になるため、返品不可の設定にしていても受け付ける必要があります。3営業日以内に何も対応しないと、eBayが商品の返送を求めずにバイヤーへ返金し、その金額をセラーに請求することがあります。
eBayで返送された商品に関税はかかりますか?
返送された荷物も国境を越えるため、輸入時の扱いは発送のときと同じ仕組みで決まります。日本のセラーにとっての関税と税金の考え方、誰が支払うのが標準かは、[eBayの送料の記事](/blog/ebay-shipping)で扱っています。評価との関係でもう1つ知っておくと役に立つのは、eBayのフィードバックポリシーが、セラーの管理外にある関税や税金の問題を理由とする悪い評価を削除対象として挙げている点です。ポリシーのページは、海外のバイヤーから「輸入関税が高すぎる」という評価を受けた例を挙げ、これは削除できるとしています。
eBayで評価する方法は?
Seller Hub または My eBay で Selling から Orders を開き、対象の取引を選んで Leave feedback を選びます。次に Positive を選び、コメントを入力して Leave feedback を選びます。セラーが選べるのは Positive だけで、negative や neutral の選択肢はありません。評価を残せるのは取引完了から90日以内です。なお、positive を選びながらコメントに否定的なことを書くと、他のメンバーの混乱を招くとして削除されます。バイヤーに問題があった場合は、評価ではなく report a buyer から報告します。
悪い評価はセラーレベルに影響しますか?
影響しません。eBayのフィードバックポリシー(2026年9月25日閲覧)は、悪い評価や中立の評価を受け取ってもセラーパフォーマンスには影響しないと明記しています。セラーレベルを決めるのは、セラーが解決できずに終わったケース(cases closed without seller resolution)、取引の不備率(transaction defect rate)、発送遅延率(late shipment rate)の3つです。つまり、返品リクエストを放置してeBayの介入を招くことはセラーレベルに直接響きますが、評価そのものは響きません。ただし評価はバイヤーに見えるので、売上には関係します。