電脳せどりとは:店舗せどりとの違いと、失敗しない調べ方
電脳せどりは、仕入れをネット上で完結させるせどりです。店舗を回らず、オンラインショップやフリマアプリで安く売られている商品を見つけて仕入れ、別の場所で売ります。
言葉としては「電脳」と付くだけですが、実際にやることは店舗せどりとかなり違います。そして有利な点と不利な点が、はっきり入れ替わります。
店舗せどりとの本当の違い
移動しなくていい、というのは分かりやすい違いですが、本質ではありません。本質は情報の見え方です。
店舗せどりでは、その棚を見たのはその日その店に行った人だけです。値下げシールが貼られた1個は、見つけた人のものになります。情報が物理的に分散しているので、競合は自然に限られます。
電脳せどりは逆です。同じ商品ページを、日本中の誰でも、同時に、無料で見られます。価格差が分かりやすい商品ほど、気づいている人も多いということになります。
| 店舗せどり | 電脳せどり | |
|---|---|---|
| 仕入れの手間 | 移動と滞在の時間がかかる | 移動しない。数をこなせる |
| 競合の見え方 | その場に行った人だけ | 同じページを誰でも見られる |
| 在庫の確認 | 現物を手に取れる | 写真と説明文で判断する |
| 数量の確保 | 店頭にある分だけ | まとめて確保しやすい |
| 始めやすさ | 交通費と時間が先に出る | 少額から試しやすい |
「楽なほうを選ぶ」という話ではありません。 電脳せどりは手間が減る代わりに競合が増える。この交換条件を理解したうえで、どこで差をつけるかを決める必要があります。
価格差は出発点であって、利益ではない
電脳せどりで最も多い失敗は、価格差だけを見て仕入れることです。
仕入れ5,000円、販売8,000円。差は3,000円。ここまでは誰でも計算します。ここから引かれるものが問題です。
- 販売先に払う手数料
- 発送にかかる送料
- 梱包材
- 返品が発生した場合の往復分
これらを引いて、ようやく手取りが出ます。そしてもう1つ、計算に入れにくいのに一番効いてくるものがあります。売れるまでの期間です。
3,000円の差がある商品でも、売れるまでに4か月かかるなら、その間5,000円は動きません。差が800円でも月に3回転する商品のほうが、同じ資金で見れば多くを稼ぎます。
見るべきは価格差ではなく、「手取り × 回転数」です。
回転を確かめるには、売れた実績を見る
では回転はどう確かめるか。ここで多くの人が、出品されている価格を見てしまいます。
出品価格は売り手の希望であって、売れた証拠ではありません。判断に使えるのは次の2つだけです。
- 実際に売れた価格
- その価格で、どれくらいの頻度で売れているか
この2つの調べ方は、扱う商品や販売先が変わっても同じです。手順はリサーチのやり方にまとめてあります。
なおZIK Analyticsが扱っているのはeBayを中心とした海外マーケットプレイスの実売データで、アプリの表示は英語のみです。国内の販売先だけで完結させる場合は、その販売先の売却済みデータを見ることになります。
仕入れ先より先に、売る場所のルールを読む
電脳せどりを始めるとき、多くの人は仕入れ先から探します。順番としては逆です。
販売先によって、認められる仕入れ方が違います。 他の小売業者から購入してそのまま買い手に直送させる形を禁止しているところもあれば、手元にない商品の出品自体を禁止しているところもあります。
この線引きは無在庫での販売が認められるかどうかの話と地続きです。在庫を持って発送するなら問題にならない仕入れ方でも、直送に切り替えた途端に規約違反になることがあります。
規約に違反した場合の結果は単純で、出品の削除やアカウントの停止です。法律に触れていなくても、売る場所を失えば止まります。仕入れ先を探す前に、売る場所の規約を読んでください。
売り先を海外に広げるという選択肢
電脳せどりの競合が増えやすいのは、同じ情報を同じ人たちが見ているからでした。裏を返せば、見ている人が違う市場に売れば、その競争から外れられます。
日本から海外に売る場合、eBayなどの海外マーケットプレイスを使うことになります。このとき変わるのは次の3点です。
- 手数料の構造が国内の販売先とは異なる
- 国際送料が重さと大きさで決まり、国内より桁が変わる
- 出品ページを買い手の言語で書く必要がある
手間は増えます。ただし、日本国内でしか手に入らない商品を扱う場合、海外の買い手にとっては現地のセラーから買えないものになります。仕組みはeBay出品の手順にまとめてあります。
仕入れ前に確認する順番
- 売る場所を決め、その規約を読む
- 扱う商品に固有の規制がないか確認する
- 売れた価格と頻度を確かめる
- 手数料と送料を引いて手取りを計算する
- その手取りが、回転期間に見合うか判断する
3と4を飛ばして価格差だけで仕入れると、在庫は増えて資金は減ります。1を飛ばすと、うまくいき始めた頃にアカウントが止まります。
まとめ
電脳せどりは、移動しない代わりに競合が多い。この構造を受け入れたうえで、どこで差をつけるかを決める作業です。
差がつくのは、価格差を見つける速さではありません。売れた実績を確かめる習慣と、手取りと回転で判断する計算です。ここを飛ばして数をこなしても、増えるのは在庫だけになります。
よくある質問
電脳せどりと店舗せどりはどちらが有利ですか。
一概には言えません。電脳せどりは移動せずに数をこなせる一方、同じ情報を誰でも見られるため競合が増えやすくなります。店舗せどりは手間がかかる代わりに、その場に行った人しか見つけられない在庫に出会えます。
資金はいくら必要ですか。
金額よりも回転のほうが重要です。少額でも月に何度も回る商品を扱えば資金は増えますが、大きな価格差でも半年動かない商品を掴めば資金は止まります。
価格差があれば仕入れてよいですか。
いけません。販売手数料、送料、梱包材、そして売れるまでの期間を引いた後に残る金額が利益です。価格差はその計算の出発点にすぎません。
どこから仕入れるのが正解ですか。
仕入れ先より先に、売る場所のルールを確認してください。販売先によって認められる仕入れ方が異なり、違反するとアカウントに影響します。
海外に売ることもできますか。
できます。日本から海外に売る場合はeBayなどの海外マーケットプレイスを使うことになり、送料と手数料の構造が国内販売とは変わります。